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障害者雇用の除外率とは?制度の仕組みや対象・雇用率の計算例をわかりやすく解説

障害者雇用 除外率

「自社は除外率制度の対象になるの?」「除外率が適用されると障害者を雇用しなくてもいいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、除外率が適用される業種や事業所の確認方法をはじめ、法定雇用障害者数の計算方法や端数処理、短時間労働者・重度障害者のカウント方法まで、具体的な計算例を交えながらわかりやすく解説します。

「自社が対象になるか知りたい」「制度を正しく理解して手続きを進めたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

この記事を読むと分かること

 

  • 障害者雇用の除外率制度とは?対象業種や仕組みは?
  • 自社の除外率はどう確認し、法定雇用障害者数はどう計算する?
  • 除外率を適用する企業が押さえるべき実務対応とは? 

障害者雇用の除外率とは?制度の仕組みをわかりやすく解説

ここでは、障害者雇用の除外率制度の仕組みについてわかりやすく解説します。

「除外率って何?」「対象になれば障害者を雇用しなくてもいいの?」と疑問に感じている方は、まず基本から確認していきましょう。

障害者雇用における除外率制度とは?

障害者雇用の除外率とは、障害者の就業が一般的に難しいとされる一部の業種を対象に、法定雇用障害者数を計算する際の基礎となる常用雇用労働者数から、一定割合を差し引くことができる制度です。

除外率が適用されても、法定雇用率が下がるわけではありません。常用雇用労働者数を減らして計算するため、結果として雇用すべき障害者数が少なくなる仕組みです。

除外率の対象となる事業所では、業種ごとに定められた除外率をもとに法定雇用障害者数を算出します。そのため、同じ従業員数でも、除外率の適用があるかどうかで雇用義務の人数が変わる場合があります。

なお、除外率は企業が自由に設定できるものではなく、対象となる業種や適用率は国によって定められています。

障害者雇用に除外率制度が設けられた理由

除外率制度は、危険を伴う作業や身体への負担が大きい業務など、障害者の就業が難しいと考えられてきた業種の実情を考慮して設けられた制度です。業種ごとの雇用環境の違いを踏まえ、企業間の負担をできるだけ公平にすることを目的としています。

しかし、職場環境の整備や支援機器の普及、合理的配慮の浸透などにより、障害者が活躍できる仕事の幅は少しずつ広がっています。そのため、除外率制度は将来的な廃止を前提とした経過措置となっており、現在も段階的に除外率の引き下げが進められています。

なお、除外率が適用される企業でも、障害者雇用の義務がなくなるわけではありません。企業には、業務の切り出しや職場環境の改善などを進めながら、障害者が働きやすい環境づくりに取り組むことが求められています。

障害者雇用の除外率が適用される業種・企業一覧!

除外率は、障害者の就業が一般的に困難と認められる業種について設定されています。企業名や会社全体ではなく、原則として事業所ごとの主たる事業を基準に適用される点が重要です。

除外率設定業種と除外率の一覧

2025年4月1日以降の除外率設定業種と除外率は、次のとおりです。2025年4月の制度改正により、各業種の除外率は従来から10ポイント引き下げられました。

除外率設定業種 除外率
港湾運送業 5%
警備業 5%
鉄道業 10%
医療業 10%
高等教育機関 10%
介護老人保健施設 10%
林業(狩猟業を除く) 15%
金属鉱業 20%
児童福祉事業 20%
特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く) 25%
石炭・亜炭鉱業 30%
道路旅客運送業 35%
小学校 35%
幼稚園 40%
船員等による船舶運航等の事業 60%

従来の除外率が10%以下だった建設業、鉄鋼業、道路貨物運送業、郵便業などは、2025年4月1日以降、除外率制度の対象外となっています。

出典:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について 」

https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf

事業所ごとに適用される除外率の確認方法とは

除外率は会社全体で一律に決まるものではなく、それぞれの事業所が行う主な事業の業種によって決まります。そのため、同じ会社でも事業所ごとに適用される除外率が異なる場合があります。

自社の事業所が除外率の対象となるか判断に迷う場合は、事業内容や従業員の配置状況が分かる資料を準備し、管轄のハローワークへ確認しましょう。障害者雇用状況報告書を作成する際も、最新の除外率を確認しておくことが大切です。

複数の事業を行う企業における業種の判断基準

一つの事業所で複数の事業を行っている場合は、原則として、その事業所で最も多くの労働者が従事している事業を「主たる事業」として判断します。売上高や法人登記上の事業目的だけで決まるわけではありません。

また、本社・工場・営業所・病院・学校など複数の事業所がある企業では、それぞれの事業所ごとに業種を判断します。判断に迷う場合は、自己判断せず管轄のハローワークへ相談すると安心です。

【計算例つき!】除外率を使った法定雇用障害者数の計算方法

除外率が適用される企業は、事業所ごとに除外率相当数を差し引いたうえで、企業全体の法定雇用障害者数を計算します。

ここでは、現在の民間企業の法定雇用率である2.7%をもとに、計算方法をわかりやすく解説します。 

法定雇用障害者数を求める計算式

法定雇用障害者数は、次の手順で計算します。

  1. 常用雇用労働者数を確認する
  2. 常用雇用労働者数に除外率を掛けて、除外率相当数を求める
  3. 常用雇用労働者数から除外率相当数を差し引く
  4. 差し引いた人数に法定雇用率2.7%を掛ける

計算式は、次のとおりです。

「法定雇用障害者数=(常用雇用労働者数-除外率相当数)×2.7%」

複数の事業所がある企業は、事業所ごとに除外率相当数を計算し、差し引いた人数を合計してから2.7%を掛けて法定雇用障害者数を算出します。

常用雇用労働者数と短時間労働者の数え方

障害者雇用率を計算する際は、週の所定労働時間によって労働者の数え方が異なります。

  • 週30時間以上働く常用雇用労働者:1人
  • 週20時間以上30時間未満の短時間労働者:0.5人

例えば、週30時間以上働く労働者が90人、短時間労働者が20人いる場合は、「90人+(20人×0.5)=100人」として計算します。

雇用形態ではなく、実際の所定労働時間や雇用期間をもとに数えることがポイントです。

除外率相当数を計算するときの端数処理

除外率相当数は、「常用雇用労働者数×除外率」で計算し、1人未満の端数は切り捨てます。また、その後に算出する法定雇用障害者数についても、1人未満の端数は切り捨てます。

例えば、常用雇用労働者数が83人、除外率が20%の場合は、「83人×20%=16.6人」となります。この場合、端数を切り捨てて除外率相当数は16人となります。

除外率が適用される企業の計算例

ここでは、除外率が適用される場合の法定雇用障害者数の計算例を紹介します。今回は、2026年現在の法定雇用率2.7%で計算しています。 

常用雇用労働者が100人の場合

常用雇用労働者が100人、除外率が30%の場合、除外率相当数は「100人×30%=30人」です。

算定基礎となる労働者数は「100人-30人=70人」となり、法定雇用障害者数は「70人×2.7%=1.89人」です。1人未満の端数は切り捨てるため、この場合の雇用義務数は1人となります。

短時間労働者を雇用している場合

週30時間以上働く労働者が90人、短時間労働者が20人、除外率が20%の場合、常用雇用労働者数は「90人+(20人×0.5)=100人」となります。

除外率相当数は20人、算定基礎となる労働者数は80人です。法定雇用障害者数は「80人×2.7%=2.16人」となり、端数を切り捨てるため、雇用義務数は2人です。

複数の事業所で除外率が異なる場合

A事業所の常用雇用労働者数が100人で除外率20%、B事業所が60人で除外率10%の場合は、それぞれの事業所ごとに計算します。

  • A事業所:100人-20人=80人
  • B事業所:60人-6人=54人

算定基礎となる労働者数の合計は「80人+54人=134人」です。

これに法定雇用率2.7%を掛けると、「134人×2.7%=3.618人」となります。1人未満の端数を切り捨てるため、企業全体の法定雇用障害者数は3人となります。

障害者雇用率の算定対象となる障害者とは

障害者雇用率の計算対象となるのは、常用雇用労働者として雇用されている身体障害者・知的障害者・精神障害者です。

ただし、医師の診断を受けているだけでは、原則として算定対象にはなりません。また、障害の種類や程度、週の所定労働時間によって、人数の数え方が異なるため注意が必要です。

身体障害者と知的障害者と精神障害者の扱い

身体障害者は身体障害者手帳、知的障害者は療育手帳または児童相談所・知的障害者更生相談所などの判定、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳を持っている人が、原則として算定対象となります。

人数の数え方は、週30時間以上働く労働者を1人、週20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人として計算します。

ただし、重度障害者や精神障害者については特例があり、通常とは異なる方法で算定する場合があるため次の章で解説します。↓

重度障害者のダブルカウント

重度身体障害者または重度知的障害者で、週所定労働時間が30時間以上の場合は、1人を2人として算定します。これを「ダブルカウント」といいます。

一方、週20時間以上30時間未満の場合は、1人として算定します。なお、精神障害者には重度区分によるダブルカウントの制度はありません。

短時間労働者と特定短時間労働者のカウント方法

週所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は、原則として1人を0.5人として算定します。ただし、精神障害者については、当分の間の特例として1人を1人として数えることができます。

また、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の「特定短時間労働者」は、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者に該当する場合のみ、1人を0.5人として算定します。重度ではない身体障害者や知的障害者は、この特例の対象には含まれません。

障害者手帳の確認に関する注意点

障害者雇用率を正しく算定するためには、本人の同意を得たうえで、障害者手帳や公的な判定書類により対象者であることを確認します。なお、精神障害者保健福祉手帳には有効期限があるため、算定時点で有効かどうかもあわせて確認しておきましょう。

また、障害に関する情報は「要配慮個人情報」にあたるため、取り扱いには十分な配慮が必要です。利用目的を本人に伝えたうえで必要な情報だけを取得し、閲覧できる担当者を限定するなど、適切に管理しましょう。

なお、本人に障害の申告を強制したり、障害者雇用率の算定以外の目的で情報を利用したりすることはできません。

除外率の対象企業が知っておきたい実務対応の3つのポイント

除外率制度の対象企業は、制度の仕組みを理解するだけでなく、実務上のルールもしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、障害者雇用状況報告や納付金制度など、特に知っておきたい3つのポイントを解説します。 

障害者雇用状況報告書の作成と提出

報告対象となる事業主は、毎年6月1日時点の常用雇用労働者数や障害者の雇用状況を取りまとめ、原則として7月15日までにハローワークへ報告します。

除外率の対象となる事業所がある場合は、事業所ごとに除外率を適用したうえで、企業全体の法定雇用障害者数を算定する必要があります。

複数の事業所がある企業では、事業所ごとの業種や除外率、労働者数を正しく整理しておくことが大切です。なお、報告書は紙だけでなく、電子申請でも提出できます。

ハローワークへの確認が必要なケース

除外率は、企業全体ではなく、それぞれの事業所の主な事業内容に基づいて判断されます。そのため、複数の事業を行っている場合や、事業内容の変更、事業所の新設・統合などがあった場合は、適用される除外率が変わることがあります。

判断に迷う場合は、事業内容や従業員の配置状況が分かる資料を用意し、管轄のハローワークへ確認すると安心です。また、除外率は見直しが行われることがあるため、以前の数値をそのまま使わず、最新の情報を確認するようにしましょう。

障害者雇用納付金と調整金の仕組み

除外率を適用した後の常用雇用労働者数が100人を超える事業主は、法定雇用障害者数を下回る場合、原則として不足1人につき月額5万円の障害者雇用納付金を納付します。

一方、法定雇用障害者数を超えて障害者を雇用している場合は、一定の要件を満たすことで障害者雇用調整金の支給対象となります。

納付金を支払っても、障害者雇用義務が免除されるわけではありません。申告や調整金の申請は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に対して行うため、年度ごとの常用雇用労働者数と障害者数を適切に管理しておきましょう。

Q&A|障害者雇用の除外率に関するよくある質問

除外率と除外職員制度は同じですか?

同じ制度ではありません。

除外率制度は、障害者の雇用が困難と認められる一定の業種について、法定雇用障害者数を算定する際の常用雇用労働者数を一定割合で控除する制度です。

一方、除外職員制度は、国や地方公共団体などにおいて、特定の職種に従事する職員を障害者雇用率の算定基礎から除外する仕組みです。対象となる事業主や計算方法が異なるため、混同しないようにしましょう。

自社の除外率はどこで確認できますか?

除外率は企業単位ではなく、原則として事業所ごとの主たる事業の業種に基づいて判断します。厚生労働省が公表している除外率設定業種の一覧や、障害者雇用状況報告書の記入要領で確認できます。

複数の事業を行っている場合や業種の判定が難しい場合は、自己判断せず、事業所を管轄するハローワークへ確認してください。

除外率を適用すると障害者を雇用しなくてもよいですか?

除外率は、障害者の雇用義務を免除する制度ではありません。除外率相当数を控除した常用雇用労働者数に法定雇用率を乗じ、必要な法定雇用障害者数を算定します。

また、除外率が適用される事業所にも、障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供などが求められます。除外率を理由に障害者の採用を一律に避けるのではなく、職務の切り出しや配置、職場環境の整備を検討することが重要です。

まとめ

障害者雇用の除外率制度は、障害者の就業が困難と認められる業種について、法定雇用障害者数を算定する際の常用雇用労働者数から、除外率に相当する人数を控除する仕組みです。企業全体ではなく、原則として事業所ごとの業種に応じて適用されます。

除外率が適用されても、障害者の雇用義務がなくなるわけではありません。短時間労働者や重度障害者などの算定方法、端数処理を正しく理解し、障害者雇用状況報告書を作成することが重要です。業種区分や適用の可否が不明な場合は、管轄のハローワークへ確認しましょう。

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