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障害者雇用のミスマッチはなぜ起こる?企業側の原因と解消するポイント

障害者雇用 ミスマッチ

「障害者を採用したものの、仕事内容が合わず早期離職につながってしまった」「必要な配慮がわからず、現場とのすれ違いが起きている」と悩む企業担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、障害者雇用でミスマッチが起こる原因をはじめ、求人票の作成や職場見学・実習、面接、入社後のフォロー、支援機関との連携など、企業ができる対策をわかりやすく解説します。

障害のある方と企業の双方が「ここで長く働けそう」と思える職場づくりの参考になれば幸いです。

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目次

そもそも障害者雇用におけるミスマッチとは?

障害者雇用におけるミスマッチとは、本人の希望や適性と、企業が任せる仕事内容や職場環境などにズレが生じている状態を指します。
まずは、ミスマッチが起こるとどうなるのか確認していきましょう。

企業と障害者の双方に起こるミスマッチ

障害者雇用のミスマッチは、本人だけではなく、企業側にも起こります。

企業側では、「想定していた仕事を任せるのが難しかった」「思っていた以上に現場のサポートが必要だった」といったズレが生じることがあります。一方、本人側では、「求人票や面接で聞いていた仕事内容と違う」「希望していた働き方ができない」「必要な配慮を受けられない」といった不満や困りごとが生まれることがあります。

こうしたミスマッチを防ぐためには、障害の種類だけで仕事や働き方を決めないことが大切です。同じ障害があっても、得意・不得意や経験、スキル、体調、必要な配慮などは一人ひとり異なります。

採用前に本人ができることや苦手なこと、安定して働くために必要な条件を確認し、企業側が求める仕事内容や働き方とすり合わせておきましょう。

ミスマッチが早期離職や定着率の低下につながる理由

入社してから「聞いていた仕事内容と違った」「必要な配慮を受けられなかった」といったズレがわかると、本人にとって大きな負担になることがあります。

企業側も、「予定していた仕事を任せられない」「どのように指導すればよいかわからない」と対応に悩み、現場の負担が増えてしまうかもしれません。

お互いに違和感を抱えたまま働き続けると、本人の不安やストレスが大きくなり、欠勤や休職、早期離職につながる可能性があります。また、相談できる環境がなければ、小さな認識のズレが解消されないまま大きな問題になってしまうこともあります。

障害者雇用のミスマッチが起こる企業側の原因とは?

障害者雇用のミスマッチは、仕事内容や必要な配慮、職場環境などについて、企業と本人の認識にズレがあることで起こりやすくなります。
ここでは、入社後の「思っていたのと違った」につながる企業側の主な原因を見ていきましょう。

求人・面接時の説明と実際の仕事内容にズレがある

求人票や面接で説明した仕事内容と、入社後に実際に任せる仕事が異なると、ミスマッチが起こりやすくなります。

たとえば、「事務作業が中心」と説明していたものの、実際には電話対応や来客対応が多いケースです。仕事内容そのものは同じでも、想定していた業務量や仕事の進め方、残業の有無などが異なれば、本人にとっては大きなギャップになることがあります。

企業側では当たり前だと思っている職場のルールや働き方が、求人や面接で十分に伝わっていないことも、入社後に「聞いていた話と違う」と感じる原因になります。

合理的配慮の内容を事前に検討していない

本人が働くうえで必要としている配慮と、企業側が想定している配慮にズレがあることも、ミスマッチの原因になります。

たとえば、勤務時間の調整が必要だったり、口頭で一度に多くの指示を受けることが負担になったりと、必要な配慮は一人ひとり異なります。

企業側が障害の種類だけを見て必要な配慮を判断してしまうと、本人が実際に困っていることを把握できない場合があります。その結果、本人は働きにくさを感じ、企業側も「想定していたよりサポートが必要だった」と感じることがあります。

本人の適性に合わない仕事を任せている

障害の種類だけを見て仕事内容を決めたり、企業側の人手不足を優先して仕事を割り振ったりすることも、ミスマッチにつながります。

同じ障害があっても、得意・不得意や経験、スキル、集中できる時間、負担に感じる環境などは一人ひとり異なります。

本人の適性と仕事内容が合っていない状態では、本来持っている能力を発揮しにくくなります。企業側も期待していた成果とのギャップを感じやすくなり、お互いに「思っていた働き方と違う」という状況が生まれてしまいます。

現場の「受け入れ体制」や「障害への理解」が不足している

採用担当者と実際に一緒に働く上司や同僚との間で、認識に差があることもミスマッチの原因です。

採用担当者は必要な配慮を理解していても、現場まで十分に共有されていなければ、担当者によって指示の出し方や接し方が変わることがあります。また、障害への理解が十分でないことで、必要以上に仕事を制限したり、反対にほかの社員とまったく同じ対応を求めたりするケースもあります。

「採用時には問題なかったのに、配属されてから働きにくくなった」という場合は、こうした採用担当者と現場との認識のズレが背景にあることも少なくありません。

採用後の面談やフォローが十分にできていない

採用前には問題がないように見えても、実際に働き始めてから初めてわかる困りごともあります。

仕事内容や業務量、人間関係、通勤、体調など、働き始めてから状況が変わることもあるためです。しかし、入社後に面談やフォローの機会が少ないと、本人が感じている小さな違和感を企業側が把握できないまま時間が経ってしまいます。

本人も「このくらいなら我慢したほうがいい」「誰に相談すればいいかわからない」と悩みを抱え込み、企業側も問題に気づけません。こうしたすれ違いが積み重なることで、入社当初は小さかったミスマッチが次第に大きくなってしまいます。

「合わなかった」を防ぐ!障害者雇用のミスマッチを解消する重要ポイント

障害者雇用のミスマッチを防ぐには、採用前のすり合わせだけでなく、入社後の働き方やサポートまで考えておくことが大切です。
ここでは、企業と本人の「思っていたのと違った」を減らすために、押さえておきたい重要なポイントを紹介します。

求める業務と必要なスキルを明確にする

まずは、採用後にどのような仕事を任せるのかを具体的にしておきましょう。「事務作業」「軽作業」といった大まかな分け方ではなく、「データを入力する」「書類を仕分ける」「商品の検品をする」など、実際の作業ごとに整理するのがポイントです。

そのうえで、パソコン操作が必要なのか、どの程度の正確さやスピードが求められるのか、人とのやり取りがどのくらい発生するのかなど、仕事に必要なスキルも洗い出します。

「入社時点で必要なスキル」と「働きながら身につけられるスキル」を分けて考えると、条件を厳しくしすぎることも防げます。本人の得意なことを生かせる仕事がないか、業務を細かく切り出しながら考えてみましょう。

障害者向け求人票に勤務条件を具体的に記載する

求人票の情報が少ないと、応募者は実際に働く姿をイメージしにくくなります。仕事内容はもちろん、勤務時間や休憩時間、勤務日数、勤務地、給与、残業の有無なども具体的に記載しましょう。

仕事内容についても、「パソコンを使ったデータ入力が中心」「電話対応は基本的になし」など、できるだけ実際の働き方が伝わる表現にするとわかりやすくなります。使用する設備やシステム、在宅勤務の可否なども、応募者にとって大切な判断材料です。

入社してから「求人票で見た条件と違った」とならないよう、よい面だけではなく、実際の仕事内容や職場環境を正確に伝えることが大切です。

職場見学や実習で業務内容を共有する

求人票や面接だけでは、職場の雰囲気まですべて伝えるのは難しいものです。可能であれば、採用前に職場見学や実習の機会を設けると、お互いのイメージをすり合わせやすくなります。

実際の作業場所を見てもらえば、仕事内容だけでなく、職場の広さや周囲の音、人の多さ、休憩スペースなども確認できます。本人にとって働きやすい環境かどうかを判断する材料になるでしょう。

実習では、実際の仕事を体験してもらうことで、本人は「無理なく続けられそうか」、企業は「どのような仕事なら力を発揮してもらえそうか」を確認できます。入社してから初めて相性を確かめるのではなく、採用前にお互いを知る機会をつくることがミスマッチの防止につながります。

面接で確認すべき配慮事項を整理しておく

面接では障害名だけに注目するのではなく、実際に仕事をするうえでどのような配慮が必要なのかを確認することが大切です。

たとえば、「口頭と文章のどちらで指示を受けるとわかりやすいか」「通院のために勤務時間の調整が必要か」「体調が悪くなったときはどのような対応が必要か」など、仕事に関係する内容を具体的に確認します。

ただし、障害について何でも聞いてよいわけではありません。採用する仕事を行えるかどうかや、必要な配慮を検討するために必要な範囲で確認することが基本です。

また、合理的配慮は企業側だけで決めるものではありません。本人の希望を聞きながら、企業として対応できる方法を一緒に考えていきましょう。

ハローワークや就労移行支援事業所と連携する

「初めての障害者雇用で、どのような人を採用すればよいかわからない」「本人に合った仕事をうまく判断できない」という場合は、自社だけで抱え込まず、外部の支援機関を活用する方法もあります。

ハローワークをはじめ、就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センターなどでは、障害者雇用に関するさまざまな相談ができます。求人内容について相談したり、職場見学・実習を調整したり、採用後の定着をサポートしてもらえたりする場合もあります。

本人の同意を得ながら支援機関とも情報を共有することで、企業だけでは気づきにくい本人の得意なことや必要な配慮を把握できることもあります。採用から定着までを企業だけで背負うのではなく、必要な場面で専門機関の力を借りることも、ミスマッチを減らす方法のひとつです。

Q&A|障害者雇用のミスマッチに関するよくある質問

障害者雇用を進めるなかで、仕事内容の変更や合理的配慮、面接での確認事項など、判断に迷う場面もあるでしょう。
ここでは、障害者雇用のミスマッチについて企業担当者が気になりやすい疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。

採用後に仕事内容が合わないとわかった場合はどうすればいい?

まずは本人と上司、人事担当者などで面談し、どの業務が難しいのか、求人時の説明と実際の業務にどのような違いがあるのかを確認します。業務量や手順、担当範囲を見直し、本人の適性や体調に合わせて調整できる部分を検討しましょう。

一時的な調整で解決しない場合は、ハローワークや就労移行支援事業所などの支援機関に相談する方法もあります。改善策を実施した後も定期的に面談し、仕事内容と本人の希望が合っているかを確認することが大切です。

本人が希望する合理的配慮にすべて対応する必要はある?

合理的配慮は、障害のある人がほかの従業員と同じように働くために必要な措置を、企業と本人が話し合って決めるものです。本人の希望をすべてそのまま実施するのではなく、業務内容や職場の状況、企業の負担などを踏まえて、実現可能な方法を検討します。

希望どおりの対応が難しい場合は、理由を一方的に伝えて終わらせず、代替となる配慮がないかを本人と話し合いましょう。合理的配慮の内容は、採用時だけでなく、業務内容や体調の変化に応じて見直すことが重要です。

面接で障害の内容や必要な配慮についてどこまで聞いていい?

面接では、障害名や症状を必要以上に詳しく聞くのではなく、職務を遂行するうえで必要な情報を確認します。たとえば、業務上困難になりやすいこと、配慮が必要な場面、体調が変化したときの対応、通院による勤務調整の必要性などです。

質問する際は、採用や就業上の配慮を検討するために必要な情報であることを説明し、本人の意思を尊重します。聞き取った情報は、利用目的を明確にしたうえで適切に管理し、業務上必要な範囲を超えて職場内で共有しないよう注意が必要です。

まとめ

障害者雇用のミスマッチは、求人時の説明と実際の仕事内容の違い、本人の適性と業務の不一致、合理的配慮や受け入れ体制の不足などによって起こります。早期離職や定着率の低下を防ぐには、業務内容や勤務条件、必要なスキルを明確にし、職場見学・実習や面接を通じて相互理解を深めることが重要です。採用後も定期的に面談を行い、本人の状況に応じて業務や配慮を見直しましょう。必要に応じて、ハローワークや就労移行支援事業所と連携することも有効です。

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