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障害者雇用の報告義務をわかりやすく解説!提出方法や期限、罰則も紹介

障害者雇用状況報告について、「自社は対象になるのか」「どの人数を数えればよいのか」「提出方法が分からない」と不安に感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、対象企業の要件をはじめ、常用労働者や短時間労働者の数え方、法定雇用率と必要な雇用人数の計算方法、除外率制度についてわかりやすく解説します。

初めて報告を担当する方でも、必要な準備や手続きの流れを確認しながら、落ち着いて対応できる内容となっています。

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目次

この記事を読むと分かること

 

  • 障害者雇用状況報告の対象となる企業は?
  • 労働者数や障害者数はどう計算する?
  • 提出方法や期限、違反時の罰則は? 

障害者雇用の報告義務とは?提出が必要な理由を解説

ここでは、障害者雇用状況報告とはどのような制度なのか、なぜ提出が必要なのかについてわかりやすく解説します。対象となる事業主や報告が義務付けられている理由もあわせて確認していきましょう。 

障害者雇用の報告義務とは?

障害者雇用の報告義務とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、一定規模以上の事業主が毎年6月1日時点の障害者雇用状況を国へ報告する制度です。

一般的には「障害者雇用状況報告」と呼ばれ、管轄のハローワークを通じて提出します。

報告内容には、常用労働者数や法定雇用障害者数の算定に必要な労働者数、雇用している身体障害者・知的障害者・精神障害者の人数などが含まれます。対象となる事業主は、障害者を雇用しているかどうかにかかわらず、雇用人数が0人の場合でも報告が必要です。

また、障害者雇用状況報告は、一定割合以上の障害者を雇用する「障害者雇用義務」とは別の制度です。そのため、法定雇用率を達成している企業であっても、報告対象であれば毎年忘れずに提出しなければなりません。

出典:厚生労働省「障害者雇用状況報告書及び記入要領等

なぜ障害者雇用の報告義務が設けられているの?

障害者雇用の報告義務が設けられているのは、国が企業の障害者雇用の状況を正しく把握し、今後の障害者雇用施策に役立てるためです。集められた情報は、民間企業の実雇用率や法定雇用率の達成状況を確認するための基礎資料として活用されています。

また、報告内容はハローワークで確認され、法定雇用率を達成していない事業主に対しては、雇用に関する助言や支援、指導が行われます。

このように、障害のある方が安心して働ける環境を増やし、企業の継続的な障害者雇用を後押しすることが、この制度の大きな目的です。

障害者雇用の報告義務はどの企業が対象?

障害者雇用状況報告の対象は、原則として毎年6月1日時点で一定数以上の常用労働者を雇用する事業主です。

法人だけでなく、要件を満たす個人事業主も対象になります。

障害者雇用の報告義務の対象となる企業とは

民間企業では、常用労働者数が40.0人以上の事業主に障害者雇用状況報告の義務があります。障害者を雇用しているかどうかではなく、常用労働者数が基準を満たしているかどうかで対象となるかが決まります。

複数の支店や営業所がある場合は、原則として事業主全体の常用労働者数で判断します。そのため、各事業所では40.0人未満でも、企業全体で40.0人以上であれば報告義務の対象となります。

対象企業に届く「障害者雇用状況報告書」

報告義務の対象となる事業主には、通常、管轄のハローワークから「障害者雇用状況報告書(様式第6号)」などの書類が送付されます。ただし、書類が届かなかった場合でも、報告義務がなくなるわけではありません。

従業員数の増加などにより新たに対象となった企業は、自社で常用労働者数を確認し、対象となる場合は期限までに報告を行いましょう。

常用労働者数によって対象が決まる仕組み

障害者雇用状況報告の対象となるかどうかは、常用労働者数によって判断されます。

常用労働者数を計算する際は、週所定労働時間が30時間以上の労働者を1人、20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人として数えます。また、除外率制度の対象業種では、所定の除外率を適用した人数で判断します。

なお、民間企業の法定雇用率は2026年7月から2.7%となり、報告義務の対象となる事業主も、常用労働者数40.0人以上から37.5人以上へ変更されました。自社が対象となるかどうかは、最新の法定雇用率をもとに確認することが大切です。

障害者雇用状況報告で対象となる労働者と計算方法!

ここでは、障害者雇用状況報告で対象となる労働者の範囲や、常用労働者数・障害者数の計算方法についてわかりやすく解説します。正しく報告するために知っておきたいポイントを確認していきましょう。 

常用労働者に該当する人

障害者雇用状況報告では、原則として毎年6月1日時点の常用労働者数と、雇用している障害者数を報告します。常用労働者とは、期間の定めなく雇用されている人や、1年以上継続して雇用される見込みがある人を指します。

対象となるのは正社員だけではありません。契約社員やパート、アルバイトでも、雇用期間や週所定労働時間などの要件を満たしていれば常用労働者として数えます。また、休職中であっても雇用関係が続いている場合は、原則として常用労働者に含まれます。

なお、派遣労働者は派遣先ではなく、雇用契約を結んでいる派遣元企業が算入します。対象となるか判断する際は、実際の勤務時間ではなく、雇用契約で定められている週所定労働時間を基準に確認しましょう。

短時間労働者と特定短時間労働者の扱い

障害者雇用状況報告では、週所定労働時間によって労働者の数え方が異なります。週30時間以上働く常用労働者は1人、週20時間以上30時間未満の短時間労働者は0.5人として、雇用率の分母となる常用労働者数を計算します。

一方、週10時間以上20時間未満の特定短時間労働者は、常用労働者数には含まれません。ただし、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者に該当する場合は、障害者の雇用人数として1人につき0.5人として算入できます。

労働時間によって数え方が変わるため、計算する際は週所定労働時間を確認しておきましょう。

身体障害者と知的障害者と精神障害者の確認方法

障害者雇用率を正しく算定するためには、公的な書類で障害者であることを確認する必要があります。

身体障害者は身体障害者手帳、知的障害者は療育手帳や児童相談所などの判定書、精神障害者は有効期限内の精神障害者保健福祉手帳で確認するのが基本です。

確認を行う際は、あらかじめ利用目的を本人に説明し、プライバシーに十分配慮することが大切です。また、本人の自己申告だけで判断するのではなく、障害者雇用率制度の対象であることを確認できる公的な書類をもとに算定しましょう。

重度障害者のダブルカウント

障害者雇用率を計算する際は、重度身体障害者と重度知的障害者について特例が設けられています。

週所定労働時間が30時間以上の場合は、1人を2人として算定できます。また、週20時間以上30時間未満の場合は、1人として算定します。

一方で、精神障害者にはダブルカウントの制度はありません。ただし、週20時間以上30時間未満で働く精神障害者は、1人として算定することができます。

それぞれ数え方が異なるため、障害の種類や勤務時間を確認したうえで計算しましょう。

除外率制度が適用される業種とは

除外率制度とは、障害者の就業が特に難しいとされる業種について、障害者雇用義務を計算する際の労働者数から一定割合を差し引ける制度です。

対象となるのは、鉱業、建設業、運送業、医療業、教育機関、林業など、法令で定められた業種に限られます。

除外率は業種ごとに異なり、2025年4月からはすべての対象業種で一律10ポイント引き下げられました。事業内容が似ているだけでは適用されないため、自社が対象となるかどうかは、障害者雇用状況報告書の記入要領に記載されている産業分類や除外率を確認することが大切です。

障害者雇用率と雇用人数の計算方法

法定雇用障害者数は、雇用率の計算対象となる労働者数に法定雇用率を掛け、小数点以下を切り捨てて求めます。2026年7月から、民間企業の法定雇用率は2.7%となっています。

除外率が適用されない企業では、基本的に次の計算式で求めます。

法定雇用障害者数=(週30時間以上の常用労働者数+週20時間以上30時間未満の短時間労働者数×0.5)×2.7%

例えば、週30時間以上の常用労働者が100人、短時間労働者が10人いる場合、計算対象となる労働者数は105人です。105人に2.7%を掛けると2.835人となり、小数点以下を切り捨てるため、法定雇用障害者数は2人となります。

なお、実雇用率は、算定した障害者の雇用人数を、除外率を適用した後の労働者数で割って計算します。

障害者手帳の種類や労働時間によるカウント例

障害者の雇用人数は、障害種別、重度区分、週所定労働時間によって次のように算定します。

対象者 週30時間以上 週20時間以上30時間未満 週10時間以上20時間未満
重度身体障害者 2人 1人 0.5人
重度以外の身体障害者 1人 0.5人 算定対象外
重度知的障害者 2人 1人 0.5人
重度以外の知的障害者 1人 0.5人 算定対象外
精神障害者 1人 1人 0.5人

例えば、週30時間勤務の重度身体障害者1人と、週25時間勤務の精神障害者1人を雇用している場合、障害者の雇用人数は合計3人です。

算定を誤らないためにも、6月1日時点の障害者手帳の種類や有効期限、重度区分、週所定労働時間を確認しましょう。

障害者雇用報告書の提出方法・提出期限をわかりやすく解説!

障害者雇用状況報告書は、毎年6月1日時点の雇用状況を記載し、管轄のハローワークへ提出します。提出方法は、窓口への持参、郵送、e-Govによる電子申請の3つです。

障害者雇用報告書の提出期限はいつまで?

障害者雇用状況報告書の提出期限は、原則として毎年7月15日です。土日祝日との関係で取り扱いが異なる場合があるため、厚生労働省やハローワークから届く当該年度の案内を確認してください。

報告書には6月1日時点の常用労働者数や障害者の雇用状況などを記載します。集計や内容確認に時間がかかることもあるため、早めに準備しましょう。

ハローワークの窓口へ提出する方法

作成した障害者雇用状況報告書を、主たる事業所の所在地を管轄するハローワークへ持参します。記載漏れや計算間違いがないか確認してから提出してください。

受付印のある控えが必要な場合は、提出用とは別に控えを用意し、窓口で確認を受けると安心です。

郵送で提出する方法

障害者雇用状況報告書は、管轄のハローワークへ郵送することもできます。期限直前の発送は避け、余裕を持って到着するよう手配しましょう。

提出前に報告書の写しを保管してください。受付印を押した控えの返送を希望する場合は、必要な控えと切手を貼った返信用封筒を同封できるか、事前に管轄のハローワークへ確認しましょう。

電子申請で提出する方法

e-Gov電子申請を利用すれば、ハローワークへ出向かずにオンラインで提出できます。時間や場所を選ばず申請でき、提出状況も確認できるため便利です。

e-Gov電子申請の利用準備

インターネットに接続できるパソコンと、e-Govを利用できる環境を準備します。ログイン方法や必要な認証情報は、e-Govおよび当該年度の報告案内を確認してください。

入力を始める前に、6月1日時点の常用労働者数、事業所別の人数、障害者の雇用状況などを整理しておくとスムーズです。

電子申請の手順

e-Govで「障害者雇用状況報告」の手続きを検索し、事業主情報や対象労働者数などの必要事項を入力します。入力内容に誤りがないことを確認して送信してください。

送信後は、到達番号や申請状況を確認できる情報を保存します。審査状況や差し戻しの有無も確認し、補正を求められた場合は速やかに対応しましょう。

提出先を確認する方法

提出先は、原則として主たる事業所の所在地を管轄するハローワークです。支店や営業所が複数ある場合も、事業所ごとの内容を取りまとめて提出します。

管轄がわからない場合は、所在地を担当するハローワークへ問い合わせて確認してください。送付された報告書や案内にも提出先が記載されているため、提出前に確認しましょう。

【重要】障害者雇用の報告義務に違反した場合の罰則

障害者雇用状況報告は、障害者雇用促進法に基づく事業主の義務です。報告義務への違反と、法定雇用率の未達成では、適用される措置が異なります。

未提出や虚偽報告に科される罰金

報告義務の対象となる事業主が障害者雇用状況報告書を提出しなかった場合や、実際の雇用状況と異なる虚偽の内容を報告した場合は、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

障害者を一人も雇用していない場合でも、対象事業主であれば報告は必要です。雇用人数を水増しするほか、対象にならない労働者を算入することも虚偽報告につながるため、障害者手帳や週所定労働時間などの根拠を確認して記載しましょう。

法定雇用率を達成していない場合の行政指導

法定雇用率を下回っていること自体に、直ちに罰金が科されるわけではありません。ただし、実雇用率が著しく低い事業主などは、公共職業安定所を通じて障害者雇入れ計画の作成を命じられる場合があります。

計画の実施状況が不十分な場合は、計画を適正に実施するよう勧告や指導が行われます。それでも改善が見られないときは、厚生労働省によって企業名が公表される可能性があります。

また、一定規模を超える事業主が法定雇用率を達成していない場合は、障害者雇用納付金の対象になることがあります。納付金は罰金ではなく、障害者雇用に伴う事業主間の経済的負担を調整するための制度です。

Q&A|障害者雇用の報告義務に関するよくある質問

障害者を雇用していなくても報告は必要?

報告義務の対象となる企業は、障害者を1人も雇用していない場合でも障害者雇用状況報告書の提出が必要です。

雇用している障害者数を「0人」として、常用労働者数などの必要事項を記載します。

報告書が届かない場合はどうすればよい?

対象企業であるにもかかわらず報告書が届かない場合は、事業所を管轄するハローワークへ確認してください。報告書が届いていないことを理由に、提出義務が免除されるわけではありません。

必要な様式は厚生労働省の案内から入手できます。

障害者手帳を持たない従業員は算定できる?

障害者雇用率の算定では、原則として身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などによる確認が必要です。ただし、知的障害者は児童相談所や知的障害者更生相談所などの判定書によって確認できる場合があります。

医師の診断書があるだけでは算定できないこともあるため、判断に迷う場合はハローワークへ確認しましょう。

障害の有無を確認する際は、本人の意に反して手帳の取得や提示を求めず、利用目的を説明したうえでプライバシーに配慮する必要があります。

提出後に誤りが見つかった場合は訂正できる?

提出後に常用労働者数や障害者数などの誤りが判明した場合は、速やかに事業所を管轄するハローワークへ連絡してください。訂正方法は提出状況によって異なるため、ハローワークの案内に従って訂正した報告書などを提出します。

まとめ

障害者雇用状況報告は、対象となる事業主が毎年6月1日時点の雇用状況を確認し、原則として7月15日までにハローワークへ提出する法定の報告です。障害者を雇用していない場合でも、対象事業主には提出義務があります。

報告に当たっては、常用労働者数や労働時間、障害の種類・程度、除外率などを正しく確認しましょう。未提出や虚偽報告には罰則が科される可能性があるため、厚生労働省の最新様式と案内を確認し、窓口・郵送・e-Gov電子申請のいずれかで期限内に提出することが重要です。

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