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障害者雇用の受け入れ体制をゼロから整理!必要な準備から定着までわかりやすく解説

障害者雇用 受け入れ体制

障害者雇用の受け入れ体制づくりで、「何から手をつければいいかわからない」とお悩みではありませんか?

本記事では、障害者雇用の受け入れ体制をゼロから構築するための具体的な5ステップを、準備から定着までわかりやすく解説。障害特性別の合理的配慮のポイントや、業務の切り出し方、活用できる支援機関・助成金までご紹介します。

この記事を読めば、担当者がやるべきことが明確になり、障がいのある方が安心して長く働ける職場環境を実現できます。

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目次

この記事を読むと分かること

  • 障害者雇用の受け入れ体制は、何から整えればいい?
  • 障害特性に合わせた合理的配慮には、どんな具体例がある?
  • 障害者雇用をスムーズに進めるには、どんな支援機関や助成金を活用できる?

障害者雇用の受け入れ体制を整える前に知るべき基礎知識!

体制づくりを始める前に、まずはその土台となる法律や、障害者雇用がもたらす企業への影響といった基礎知識を正しく理解することが重要です。

この章では、すべての企業が知っておくべき基本的なポイントを解説します。

障害者雇用促進法と法定雇用率の概要

障害者雇用について考える上で、必ず理解しておかなければならないのが「障害者雇用促進法(正式名称:障がい者の雇用の促進等に関する法律)」です。この法律は、障がいのある方の職業的な自立と社会参加を促進することを目的としています。そして、この法律に基づき、企業には「法定雇用率」以上の割合で障がい者を雇用する義務が課せられています。

2024年4月時点での民間企業の法定雇用率は2.5%で、常時雇用する労働者が40.0人以上のすべての事業主が対象となります。この法定雇用率は段階的に引き上げられる予定であり、企業は継続的な対応が求められます。

法定雇用率を達成できない場合、不足人数に応じて「障害者雇用納付金」を納めなければなりません。また、同法では障害を理由とした不当な差別的取り扱いを禁止し、障がいのある方が職場で働く上での障壁を取り除くための「合理的配慮」の提供を企業に義務付けています。これらは、受け入れ体制を構築する際の基本的な考え方となります。

障害者雇用が企業にもたらすメリットとは?

障害者雇用は、法律で定められた義務という側面だけでなく、企業経営に多くのプラスの効果をもたらす戦略的な取り組みでもあります。受け入れ体制を整え、障がいのある方が活躍できる環境を提供することは、企業の成長にとって大きなメリットとなるのです。

まず、CSR(企業の社会的責任)を果たすことで、企業イメージや社会的評価の向上が期待できます。次に、労働人口が減少する現代において、これまでアプローチできていなかった優秀な人材を確保する貴重な機会となります。また、多様な人材が共に働く職場環境は、新たな視点やイノベーションを生み出す土壌となり、組織全体の活性化につながります。

障がいのある方に業務を任せる過程で、既存の業務フローを見直し、誰にとっても分かりやすいマニュアルを作成した結果、業務全体の生産性が向上したという事例も少なくありません。このように、障害者雇用は、多様性を力に変え、持続可能な企業成長を実現するための重要な鍵となるのです。

スムーズな受け入れを実現!障害者雇用で必要な体制づくり5ステップ

採用前から採用後の定着までを見据え、企業が取り組むべき準備を5つのステップに分けて具体的に解説します。これらのステップを踏むことで、障がいのある方も安心して能力を発揮できる職場環境が実現します。

ステップ① 採用前に「受け入れ方針」と担当範囲を明確にする

まず、企業として障害者雇用にどのように向き合うか、全社的な「受け入れ方針」を明確にすることが第一歩です。経営層が主導し、障害者雇用を重要な経営課題として位置づけることで、社内全体の意識統一が図りやすくなります。

具体的には、「どのような人材を、どの部署で、何名採用するのか」「雇用形態はどうするのか」といった基本方針を固めましょう。あわせて、人事部、配属先の現場、経営層など、それぞれの役割と責任範囲を事前に定めておくことで、採用活動から入社後のフォローまでがスムーズに連携できます。

ステップ② 現場で任せる業務内容を整理・マニュアル化する

次に、採用した方に担当してもらう業務内容を具体的に整理します。既存の業務を洗い出し、工程を細分化して障害特性に合った業務を切り出す「ジョブ・カービング」という手法も有効です。

業務内容が決まったら、誰が見ても理解できるよう、写真や図を多用した分かりやすいマニュアルを作成しましょう。作業手順だけでなく、「困ったときの相談先」や「休憩のタイミング」なども明記しておくと、本人が安心して業務に取り組めます。

最初は簡単な作業から始め、習熟度に合わせて徐々に業務の幅を広げていくといった配慮も定着を後押しするためにおすすめです。

ステップ③ 配慮事項を共有して社内理解を深める

障がいのある方が安心して働くためには、配属先の従業員の理解と協力が欠かせません。採用が決まったら、本人の同意を得た上で、障害の特性や業務を遂行する上で必要な配慮事項(合理的配慮)を関係者に共有します。このとき、プライバシーには最大限配慮し、伝えてよい情報とそうでない情報を本人としっかり確認することが重要です。

また、受け入れ部署の従業員向けに障害者雇用に関する研修会や勉強会を実施し、障害への正しい知識を深める機会を設けることで、偏見や誤解から生じるトラブルを未然に防ぎ、円滑なコミュニケーションを促進します。

ステップ④ 相談しやすいフォロー体制を整備する

入社後の不安や業務上の困難を早期に発見し、解決に導くためのフォロー体制は、職場定着の鍵となります。直属の上司だけでなく、人事担当者や専門の支援員など、複数の相談窓口を設けることが理想的です。

特に、業務の指示を出す上司、生活面や精神面の相談に乗る支援担当者といった役割を分担する「トライアングルモデル」は、多角的なサポートを実現する上で効果的です。「何かあったら相談してね」と待つ姿勢ではなく、上司や担当者から定期的に声をかけるなど、気軽に相談できる雰囲気づくりを心がけましょう。

ステップ⑤ 採用後も定期面談を実施して定着状況を確認する

採用はゴールではなく、安定した就労を続けるためのスタートです。入社後も定期的に面談の機会を設け、本人の状況を継続的に確認しましょう。面談では、体調やモチベーション、業務の進捗状況、職場での人間関係、今後のキャリアに関する希望などをヒアリングします。

入社直後は週に1回、業務に慣れてきたら月に1回など、本人の状況に応じて頻度を調整するのがポイントです。面談で把握した課題や要望に対しては、迅速に対応策を検討・実行し、働きやすい環境を維持していくことが、長期的な定着と活躍につながります。

障害特性別|受け入れ体制と合理的配慮のポイント解説

ここでは、代表的な障害特性別に、受け入れ体制を構築する上での配慮のポイントを解説します。

身体障害のある方への配慮事項

身体障害は、身体に障がいのある方 、視覚障害、聴覚障害、内部障害など多岐にわたります。障害の部位や程度によって必要な配慮が大きく異なるため、本人の状況を正確に把握することが不可欠です。

物理的な環境整備と業務遂行上の工夫が主なポイントとなります。

  • 物理的環境の整備:車椅子利用者のためのスロープ設置、通路幅の確保、多目的トイレの設置、机や作業台の高さ調整など、バリアフリー化を進めます。視覚障害のある方には音声読み上げソフトや拡大鏡、聴覚障害のある方には筆談用のツールやチャットシステムを導入します。
  • 柔軟な勤務体系:通勤ラッシュを避けるための時差出勤や、通院のための休暇取得、在宅勤務(テレワーク)の導入などを検討します。
  • 業務上の工夫:上肢に障害がある方にはPCの入力補助装置を用意したり、重い物を持つ作業を他の社員が代わったりするなど、業務内容の見直しや分担を行います。

 

知的障害のある方への配慮事項

知的障害のある方は、抽象的な概念の理解や複雑な作業が苦手な場合があります。そのため、業務内容を具体的に示し、分かりやすく伝える工夫が受け入れ体制の鍵となります。

本人が安心して働ける環境づくりを心がけましょう。

  • 業務の具体化とマニュアル化:担当する業務は、具体的で反復性の高い作業から始めてもらうのが効果的です。作業手順を写真やイラスト、動画などを用いて視覚的に分かりやすくまとめたマニュアルを作成し、一つひとつの工程を明確にします。
  • 分かりやすい指示とコミュニケーション:指示を出す際は、「あれ」「それ」といった曖昧な表現を避け、短く具体的な言葉で伝えます。一度に多くのことを伝えず、「一つできたら次」というようにステップを区切ることが大切です。できたことは具体的に褒め、本人の自信とモチベーション向上につなげます。
  • 安心できる環境づくり:困ったときに誰に相談すればよいか、相談役となる担当者(ジョブコーチやメンター)を明確に決めておくと、本人が安心して業務に取り組めます。

 

精神障害のある方への配慮事項

精神障害(統合失調症、うつ病、双極性障害など)のある方は、症状や体調に波があることが多く、ストレスや環境の変化に敏感な場合があります。安定して就労を続けるためには、本人の状態に合わせた柔軟な働き方と、心身の負担を軽減する配慮が求められます。

  • 勤務時間・業務量の調整:本人の体調に合わせて、短時間勤務から始めたり、週3日勤務などの設定をしたりと、柔軟な勤務形態を検討します。過度なプレッシャーを避けるため、業務の量や難易度、納期を調整することも重要です。
  • ストレスへの配慮:大きな音や人混みが苦手な方には、静かな座席を用意するなど、ストレス要因を減らす環境を整えます。業務の変更や異動がある場合は、事前に十分な説明を行い、本人の不安を軽減します。
  • 相談しやすいフォロー体制:上司や人事担当者との定期的な面談の機会を設け、業務上の困りごとや体調の変化について気軽に相談できる関係性を築きます。プライバシーに配慮し、本人の許可なく障害に関する情報を他の従業員に共有することは避けます。

 

発達障害のある方への配慮事項

発達障害は、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)などに分類されますが、特性の現れ方は人それぞれです。

得意なことと苦手なことの差がはっきりしている場合が多いため、本人の強みを活かせる業務を任せることが定着につながります。

ASD(自閉スペクトラム症)のある方への配慮例

対人関係の構築やコミュニケーション、曖昧な状況の理解が苦手な傾向があります。一方で、特定の分野への強いこだわりや集中力、正確性を強みとして発揮することがあります。

  • 指示の明確化:「なるべく早く」「適当に」といった曖昧な表現は避け、「〇時までに」「この手順で」のように、具体的かつ論理的に指示を出します。口頭だけでなく、文章や図など視覚的な情報で伝えると理解しやすくなります。
  • 環境の整備:感覚が過敏な場合があるため、パーテーションで区切られた静かな場所を用意したり、サングラスやイヤーマフの使用を許可したりするなど、外部からの刺激を減らす工夫が有効です。
  • スケジュールの共有:急な予定変更やタスクの変更は混乱の原因になりやすいため、事前にスケジュールを伝え、変更がある場合は早めに知らせて見通しを持てるようにします。

 

ADHD(注意欠如・多動症)のある方への配慮例

不注意(集中力の維持が難しい、忘れ物が多い)や多動性・衝動性(じっとしていられない、思いつきで行動する)といった特性が見られます。好奇心旺盛で、行動力や発想力が強みになることもあります。

  • タスクの細分化と可視化:一つの大きな業務を細かいステップに分解し、チェックリストを作成して進捗を可視化できるようにします。優先順位を明確に伝えることも重要です。
  • 時間管理のサポート:タイマーやアラームを活用して作業時間を区切ったり、定期的に声かけをして進捗を確認したりすることで、集中力の維持をサポートします。
  • マルチタスクを避ける:複数の業務を同時に依頼するのではなく、一つの業務に集中できる環境を整えます。

 

障害者雇用の受け入れで活用できる支援機関と助成金とは?

障害者雇用の受け入れ体制を自社だけで構築することに不安を感じる必要はありません。国や地域には、企業の障害者雇用をサポートする専門的な支援機関や、経済的な負担を軽減する助成金制度が用意されています。

ここでは、代表的な支援機関と助成金について解説します。

相談できる支援機関一覧

障害者雇用の各ステップにおいて、専門的な知見を持つ支援機関に相談できます。採用計画の立案から職場定着まで、企業の状況に合わせて適切なサポートを受けることが成功の鍵となります。

ハローワーク

全国に設置されているハローワーク(公共職業安定所)は、障害者雇用の最も身近な相談窓口です。

障がいのある方のための専門窓口が設けられており、求人の申込み手続きはもちろん、採用に関する基本的な相談や、法定雇用率に関する情報提供、後述する助成金の申請受付など、幅広い支援を行っています。

地域障害者職業センター

各都道府県に設置されている専門機関で、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営しています。障害者職業カウンセラーが在籍し、企業に対して受け入れ体制の整備に関するコンサルティングや、個々の障害特性に応じた専門的な助言を提供します。

また、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援も行っており、採用後の定着まで一貫したサポートを受けられるのが特徴です。

障害者就業・生活支援センター

障がいのある方の「就業面」と「生活面」を一体的に支援する機関で、全国の身近な地域に設置されています。

採用後の定着支援に強みを持ち、雇用された方が職場で抱える悩みや、生活リズムの乱れといった課題に対して、本人と企業の間に立って調整や助言を行います。定期的な面談などを通じて、長期的な安定就労をサポートしてくれる心強い存在です。

進め方に迷ったら?障害者雇用支援の「ファーマーズマーケット」の魅力

近年では、国や自治体の支援機関だけでなく、多様な民間企業が障害者雇用支援サービスを提供しています。人材紹介や定着支援、サテライトオフィスなど、サービス内容は多岐にわたります。

例えば「ファーマーズマーケット」のような民間の支援サービスでは一人ひとりの力を生かせる農業の仕事づくりを進めており、16年のノウハウから企業の障害者雇用をサポートしています。

障害者雇用の進め方に迷ったときにはぜひお気軽にご相談ください。

受け入れ体制の整備に役立つ助成金制度

障害者雇用に取り組む企業を経済的に支援するため、国は様々な助成金制度を設けています。これらの制度を活用することで、施設改修や新たな人材の雇用にかかるコスト負担を軽減できます。代表的な助成金をいくつかご紹介します。

一つは、ハローワーク等の紹介により障がいのある方を継続して雇用する際に支給される「特定求職者雇用開発助成金」です。また、職場への定着を支援するために、柔軟な勤務制度の導入や職場環境の整備を行った場合に利用できる「障害者雇用安定助成金」などもあります。

その他にも、職場介助者の配置や、通勤を容易にするための措置、手話通訳担当者の委嘱など、具体的な配慮事項に対して助成が行われる制度も存在します。助成金の対象となる要件や支給額は制度によって異なるため、まずはハローワークや労働局に相談し、自社が活用できる制度を確認することをおすすめします。

まとめ

障害者雇用の受け入れ体制を整えることは、法律遵守だけでなく、多様な人材が活躍できる組織づくりを通じて企業価値を高める重要な経営課題です。成功の結論は、採用前から定着までを見据えた計画的な準備と、継続的なフォローアップ体制を構築することにあります。

本記事で解説した5つのステップを参考に、まずは自社の方針を明確にし、現場で任せる業務の整理から始めてみましょう。ハローワークなどの支援機関や助成金制度も積極的に活用し、障がいのある方が安心して能力を発揮できる職場環境を実現することが、結果として全従業員にとって働きやすい企業風土の醸成に繋がります。

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