「農業に興味はあるけれど、自分にもできるのだろうか」「長く続けられる仕事なのかな」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、障害者雇用と農業をつなぐ「農福連携」の基礎知識をはじめ、農業で働くメリット・デメリット、向いている人の特徴、仕事選びのポイントを分かりやすく解説します。
自分に合った働き方を見つけるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むと分かること
- 農福連携とはどのような取り組み?
- 障がい者が農業で働くメリット・デメリットは?
- 自分に合う農業の職場はどう選ぶ?
障がい者が農業で働く「農福連携」とは?
農福連携(のうふくれんけい)とは、農業と福祉が協力し、障がいのある方をはじめ、さまざまな人が農業の仕事で活躍できる場を広げる取り組みです。
ここでは障がい者と農業のつながりについてお話しします。
農福連携とは?障害者雇用との関係を解説
農福連携には、農業法人や農家が障がい者を直接雇用する働き方だけでなく、就労継続支援A型・B型などの福祉事業所が農作業を請け負ったりする働き方もあります。
人手不足に悩む農業と、働く機会や社会とのつながりを広げたい福祉が連携することで、お互いの課題を支え合えることが、農福連携の大きな特徴です。
ただし、農福連携と障害者雇用は同じ意味ではありません。企業や農業法人が雇用契約を結んで障がい者を採用する場合は「障害者雇用」にあたります。
主な仕事内容は、種まきや苗の管理、除草、収穫、選別、袋詰め、出荷準備などです。
農福連携が注目される背景とは?
農福連携が注目されている背景には、農業と福祉の両方が抱える課題があります。農業では、担い手の減少や高齢化が進み、人手不足が深刻になっています。一方で福祉では、障がいのある方が自分らしく働き、社会とのつながりを持てる就労先を増やすことが求められています。
このような双方の課題を解決する方法の一つとして注目されているのが農福連携です。農林水産省や厚生労働省、地方自治体、農業法人、福祉事業所などが連携し、障がい者の就労機会を広げるとともに、地域農業を支える取り組みが全国で進められています。
農福連携は、人手不足を補うことだけが目的ではありません。一人ひとりの希望や障害特性に合わせた役割や支援体制を整え、安心して長く働ける環境をつくることで、障がい者と農業の双方にとってメリットのある取り組みを目指しています。
なぜおすすめ?障がい者が農業で働く5つのメリット!
農業には、種まきや水やり、収穫、選別、袋詰めなど幅広い仕事があります。
ここでは障がいのある方が農作業をするメリットについてご紹介します。
自然の中で心と体の健康を保ちながら働ける
農業は、自然の中で体を動かしながら働ける仕事です。規則正しい生活リズムを作りやすく、季節の移り変わりや作物の成長を身近に感じられることも魅力の一つです。
ただし、感じ方や体への負担には個人差があります。無理をせず、体調に合わせて休憩や作業量を調整できる職場を選ぶことが大切です。
作業内容が分かりやすく未経験でも始めやすい
農業には、収穫や選別、計量、袋詰めなど、手順が明確で覚えやすい作業が多くあります。そのため、農業が初めての方でも、一つずつ仕事を覚えながら安心して取り組めます。
また、写真付きのマニュアルや見本を用意している職場も多く、口頭だけの説明が苦手な方でも仕事内容を理解しやすい環境が整っています。
自分のペースで作業を進めやすい
農業には、一つひとつの作業に集中して取り組める仕事が多くあります。作業を分担しながら進められるため、自分のペースで働きやすいことが魅力です。
また、勤務時間や休憩、担当する作業について配慮を受けられる職場であれば、障害特性や体調に合わせて無理なく働き続けやすくなります。
土や自然と触れ合うことによる精神的な安定
農業では、土や植物に触れながら仕事をするため、自然の中で落ち着いて働きたい方に向いています。作物の成長や季節の変化を感じられることも、農業ならではの魅力です。
また、個別で進める作業が多い職場では、人とのコミュニケーションに負担を感じやすい方でも、自分の仕事に集中しやすい環境があります。ただし、働きやすさの感じ方には個人差があるため、自分に合う職場かどうかを確認することが大切です。
収穫を通して達成感や自己肯定感につながる
農業は、自分が関わった作物を収穫し、選別や出荷まで見届けられるため、仕事の成果を実感しやすい仕事です。
毎日の積み重ねが形となって表れることで、達成感や「自分にもできた」という自信につながります。また、自分が育てた農産物が多くの人のもとへ届くことから、社会の役に立っていることを実感しやすい点も魅力です。
障がい者が農業で働くデメリットと課題とは
ここでは、障がい者が農業で働く際に知っておきたいデメリットや課題について解説します。事前に理解しておくことで、自分に合った職場選びや、長く働き続けるための参考になります。
天候や季節によって作業環境が変わる
農業は屋外での作業が多いため、夏の暑さや冬の寒さ、雨や強い日差しなど、天候の影響を受けることがあります。また、季節によって作業内容や仕事量が変わる農場も少なくありません。
そのため、暑さや寒さが苦手な方や、環境の変化に負担を感じやすい方は、事前に職場環境を確認しておくことが大切です。屋内作業やビニールハウスでの仕事がある職場を選んだり、こまめな休憩や水分補給、服装を工夫したりすることで、負担を軽減しながら働けます。
体力が必要な作業もあり、負担を感じる場合がある
農業には、長時間の立ち仕事や収穫作業、重いものを運ぶ作業など、体力を使う仕事もあります。同じ姿勢を続けることで、腰や膝などに負担がかかる場合もあります。
一方で、選別や袋詰め、計量、ラベル貼りなど、比較的体への負担が少ない仕事もあります。職場によっては、作業を細かく分担したり、台車や農業機械を活用したりするなど、一人ひとりの障害特性や体力に合わせた配慮を行っているところもあります。
自分に合った仕事内容やサポートが受けられる職場を選ぶことが大切です。
農業で働くデメリットや対策について詳しく知りたい方は、「障がい者が農業に就職するデメリットと注意点とは?働く前に知るべき課題」もあわせてご覧ください。
農業に向いている人の特徴と仕事選びのポイント!
ここでは、農業が向いている人の特徴と、自分に合った職場を選ぶためのポイントを紹介します。長く安心して働くためにも、自分の障害特性や働き方に合う環境かどうかを確認しながら仕事を選びましょう。
農業に向いている人の共通点や障害特性
農業は、植物や自然に関心があり、決められた手順に沿ってこつこつ作業を続けられる人に向いています。種まき、除草、収穫、選別、袋詰めなど、担当する工程が明確な仕事も多いため、集中して同じ作業に取り組むことが得意な人は強みを生かせます。
ただし、障害の種類や診断名だけで適性を判断することはできません。本人の得意・不得意、体力、感覚過敏の有無、必要な配慮を踏まえ、自分に合う作業を選ぶことが大切です。
無理なく長く働ける農業の職場を選ぶポイント
農業の仕事内容や働く環境は、育てる作物や職場によって大きく異なります。そのため、求人を見る際は、仕事内容だけでなく、勤務時間や休憩の取り方、屋外・屋内作業の割合、通勤方法、サポート体制なども確認することが大切です。
また、写真付きのマニュアルがあるか、体調に合わせて業務量を調整してもらえるか、困ったときに相談できる担当者がいるかも重要なポイントです。
体力に不安がある場合は、重量物の運搬ではなく、選別や袋詰めなど比較的負担の少ない作業を担当できる職場を選ぶと安心です。あわせて、雇用契約の有無や給与、社会保険、就労継続支援A型・B型など、自分に合った働き方も確認しておきましょう。
職場見学や実習で働きやすさを確認しよう
求人情報だけでは、実際の仕事のしやすさや職場の雰囲気までは分かりません。応募前に職場見学や実習へ参加し、作業内容や指示の分かりやすさ、休憩スペース、トイレ、暑さや音への対策などを自分の目で確認することをおすすめします。
不安がある場合は、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所などへ相談するのもよいでしょう。自分に必要な配慮を整理したうえで職場へ伝え、無理なく働き続けられる環境かどうかを確認することが、就職後のミスマッチを防ぐことにつながります。
「自分に合った農業の職場を見つけたい」という方は、ファーマーズマーケットがおすすめです。
一人ひとりの得意なことに合わせた仕事づくりを行っており、農場見学や実習を通して職場との相性を確認してから進められます。定着率95%と安心して働き続けられる環境づくりに力を入れています。
気になる方はぜひこちらをご覧ください。
まとめ
障がい者が農業で働くメリットは、自然に触れながら心身の健康を保ちやすく、分かりやすい作業を自分のペースで進めやすい点です。また、収穫による達成感は自己肯定感の向上にもつながります。一方で、天候による環境の変化や体力的な負担には注意が必要です。
農業が適しているかどうかは、障害特性や体力、希望する働き方によって異なります。仕事内容や休憩、支援体制、配慮の内容を確認し、職場見学や実習を通じて自分に合う職場を選びましょう。農福連携は、障がい者の就労機会を広げる選択肢の一つです。



