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障がい者差別解消法の罰則|内容や勧告・命令違反の過料はいくら?

2024年4月の法改正により、合理的配慮の提供が義務化され、「障がい者差別解消法の罰則」について不安や疑問を感じている事業者も多いのではないでしょうか?

本記事では、過料が科されるまでの流れや具体的な金額をはじめ、「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮」にあたる事例をわかりやすく解説します。あわせて、事業者が安心して適切な対応を進めるためのポイントも紹介していきます。

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目次

この記事を読むと分かること

  • 障がい者差別解消法に違反すると、どんな場合に過料が科される?
  • 「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮」とは、どんな行為を指す?
  • 事業者が罰則リスクを避けるには、どんな対応が必要?

【結論】障がい者差別解消法に直接的な罰則はない

「障がい者差別解消法に違反すると、すぐに罰則を受けるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、結論から言うと、この法律には違反行為そのものに対する直接的な刑事罰(懲役や罰金)はありません。

つまり、障がいのある方に対して「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の不提供」があったとしても、その行為自体が即座に罰則の対象となるわけではないのです。

罰則の対象は行政からの命令違反など

では、どのような場合に罰則が科されるのでしょうか。罰則(過料)が適用されるのは、差別的な行為を是正するために行われる行政措置に従わなかった場合です。

具体的には、主務大臣(事業を管轄する大臣)から報告を求められた際に虚偽の報告をしたり、是正勧告に従わず、最終的に出される「命令」に違反したりした場合に、過料が科される可能性があります。

あくまでも行政からの指導や命令に従わないことが罰則の引き金となります。

2024年4月の法改正で「民間事業者」も注意が必要に

特に注意が必要なのが、2024年4月1日に施行された改正障がい者差別解消法です。この法改正により、これまで努力義務とされていた民間事業者による「合理的配慮の提供」が法的義務へと変わりました。

これにより、国や地方公共団体だけでなく、すべての民間事業者も合理的配慮の提供が義務付けられ、対応が不十分な場合は行政指導や命令の対象となります。

命令違反をすれば過料が科される可能性があるため、事業者にとってはこれまで以上に適切な対応が求められます。

罰則(過料)が科されるまでの行政措置の流れ

障がい者差別解消法では、差別的な行為があったからといって、事業者に即座に罰則が科されるわけではありません。まずは行政による是正を促すための措置が段階的に講じられます。

ここでは、報告の求めから罰則(過料)が適用されるまでの具体的な行政措置の流れを3つのステップで解説します。

ステップ① 助言・指導・勧告

事業者が障がい者に対して「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の不提供」を行った疑いがある場合、まず主務大臣(事業を管轄する大臣)は事業者に対して報告を求めたり、助言・指導を行ったりします。これは、事業者による自主的な改善を促すための措置です。報告徴収や立入検査が行われることもあります。

これらの助言や指導に従わず、差別が繰り返されるなど、特に必要があると認められる場合には、より重い「勧告」が出されます。

ステップ② 勧告に従わない場合の命令

事業者が行政からの「勧告」に従わない場合、次のステップに進みます。

主務大臣は、正当な理由なく勧告措置を取らなかった事業者に対し、措置を取るべきことを命じる「命令」を出すことができます。この命令は、助言や勧告とは異なり、法的な拘束力を持つ行政処分です。

この段階に至る前に、事業者は勧告の内容を真摯に受け止め、具体的な改善策を講じることが求められます。

ステップ③ 命令違反による罰則(過料)の適用

主務大臣から出された「命令」に違反した場合、最終的に罰則が適用されます。

この法律における罰則は、刑事罰である懲役や罰金ではなく、行政上の秩序罰である「過料」が科されることになります。

つまり、障がい者差別解消法における罰則は、法律違反そのものではなく、行政からの是正命令に従わなかった場合に適用されるものと理解しておきましょう。

障がい者差別解消法違反で科される罰則(過料)の金額とは?

障がい者差別解消法には、法律違反に対して行政措置が取られ、その最終段階として行政上の秩序罰である「過料」が科される場合があります。

過料の金額は、違反の内容によって異なります。

主務大臣からの命令に違反した場合の過料

事業者が主務大臣からの「命令」に違反した場合、50万円以下の過料が科される可能性があります。この命令は、不当な差別的取扱いの是正や合理的配慮の提供について、助言や勧告を行ってもなお改善が見られない場合に発出されます。

正当な理由なくこの命令に従わない事業者は、過料の対象となります。

報告義務違反や虚偽報告の場合の過料

主務大臣は、法律の施行に関して事業者に対し報告を求めることができます。この報告徴収に対し、報告を怠ったり、虚偽の報告を行ったりした場合には、20万円以下の過料が科されることがあります。

これは、事業者が法律を遵守しているかを行政が監督するために重要な義務であり、違反した際のペナルティとして定められています。

罰則の対象となる2つの禁止行為

障がい者差別解消法では、行政措置を経て罰則(過料)の対象となりうる行為として、主に2つの行為を禁止しています。それは「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」です。

ここでは、それぞれの行為が具体的にどのようなものかを解説します。

不当な差別的取扱い

「不当な差別的取扱い」とは、障がいがあることのみを理由として、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、場所の利用を制限したり、障がいのない人には付けないような不利な条件を付けたりする行為を指します。

この行為は、国の行政機関や地方公共団体、民間事業者のすべてにおいて禁止されています。

不当な差別的取扱いの具体例

以下のようなケースが、不当な差別的取扱いに該当する可能性があります。

  • 障がいがあることを理由に、店舗への入店やサービスの利用を断る。
  • 車いすの利用を理由に、アパートやマンションの契約を拒否する。
  • 受付の順番を後回しにしたり、特定の人だけ対応しなかったりする。
  • 保護者や介助者が常に同伴することを、サービスの提供条件にする。

 

合理的配慮の不提供

「合理的配慮の不提供」とは、障がいのある人から社会的障壁(バリア)を取り除くための配慮を求める意思の表明があったにもかかわらず、事業者に過重な負担がない範囲で必要な配慮を提供しないことを指します。

2024年4月の法改正により、これまで努力義務だった民間事業者に対しても、合理的配慮の提供が義務化されました。

合理的配慮の具体例

合理的配慮には、物理的な環境への配慮だけでなく、意思疎通の工夫なども含まれます。ただし、事業の規模や状況に照らして過重な負担がかかる場合は、提供の義務はありません。

  • 車いす利用者のために、段差に携帯スロープを渡したり、移動を手伝ったりする。
  • 視覚障害のある人に対して、書類の内容を読み上げたり、目的地まで口頭で案内したりする。
  • 聴覚障害のある人に対して、筆談やタブレット端末の音声認識アプリなどを用いてコミュニケーションを図る。
  • 知的障害や発達障害のある人に対して、専門用語を避け、写真や図を使って分かりやすく説明する。

 

障がい者差別解消法の罰則を避けるために事業者がすべきこと

事業者が意図せず法に抵触し、罰則のリスクを負うことを避けるためには、事前の準備と社内体制の整備が不可欠です。

ここでは、事業者が具体的に取り組むべき3つの対策について解説します。

相談体制の整備と研修の実施

障がいのある方から配慮を求める相談があった際に、担当者ごとに対応が変わったり、現場が混乱したりしないよう、社内の相談窓口や対応フローを整備しておくことが大切です。相談窓口は、従業員だけでなく、商品やサービスを利用するお客様からの相談にも対応できる体制が望まれます。

また、障がい者差別解消法への理解を深めるために、社内研修を実施することも重要です。「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮」の具体例を共有することで、従業員一人ひとりが適切に対応しやすくなり、安心して相談できる職場づくりにつながります。

現場対応で迷わない!合理的配慮の進め方を明確化

合理的配慮は、一人ひとりの状況に合わせて対応を考える必要があるため、現場で判断に迷ってしまうケースも少なくありません。そのため、あらかじめ社内で対応方針や手順をまとめたガイドラインを整備しておくことが重要です。

ガイドラインには、本人と話し合いながら解決策を考える「建設的対話」の考え方や、どこまで配慮を行うかの判断基準を盛り込むと効果的です。さらに、具体的な対応事例を社内で共有することで、現場の従業員も安心して対応しやすくなります。

障害者雇用の負担軽減に役立つ|障害者雇用支援の「ファーマーズマーケット」

障害者雇用に取り組むことは、障害のある方への理解を深め、合理的配慮を実践しやすい企業文化づくりにつながります。ただし、採用活動や受け入れ体制の整備、定着支援に課題を感じる企業も少なくありません。

こうした場合は、「ファーマーズマーケット」のような障害者雇用支援サービスを活用するのもおすすめです。

専門的なノウハウを活かしながら、企業負担を抑えて障害者雇用を進めやすくなるため、法定雇用率の達成や社会貢献にもつながります。また、障がいのある方が働きやすい環境づくりを進めることで、社内全体の理解促進や企業価値向上にも役立ちます。

障害者雇用の進め方に迷ったときにはぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

障がい者差別解消法には、差別行為そのものに対する直接的な罰則はありません。しかし、行政からの助言・勧告に従わず、最終的に主務大臣からの「命令」に違反した場合には、過料が科される可能性があります。

2024年4月の法改正により、民間事業者も合理的配慮の提供が義務化されたため、これまで以上に対応が重要になります。罰則を避けるためには、不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供について正しく理解し、相談体制の整備や研修の実施など、全社的な取り組みが不可欠です。

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