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【2026年版】法定雇用率引き上げの影響とは?罰則や助成金、中小企業が取るべき具体策まで解説!

法定雇用率 引き上げ 影響

2026年7月に向けて段階的に進む、障がい者の法定雇用率引き上げ。

「自社への影響は?」「何をすればいい?」と不安を抱える企業の担当者も多いのではないでしょうか?

本記事を読めば、法定雇用率引き上げのスケジュールや対象範囲の拡大、未達成時の罰則といった基本から、中小企業が今すぐ取り組むべき具体的な対策、活用できる助成金まで全てが分かります。この記事を参考に、今すぐ準備を始めましょう。

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目次

この記事を読むと分かること

 

  • 法定雇用率の引き上げはいつ・どのように変わる?
  • 企業への具体的な影響や、未達成時のリスクは?
  • 中小企業が今すぐ取り組むべき対策や活用できる助成金とは?

そもそも法定雇用率の引き上げとは?基本をやさしく解説

2024年4月から、企業の障害者雇用に関するルール「法定雇用率」が引き上げられました。

さらに2026年にも再度の引き上げが予定されており、多くの企業にとって人事戦略の見直しが急務となっています。これまで対象外だった中小企業も、新たに対応が必要になる可能性があります。

この章では、法定雇用率の引き上げに関する基本的な知識をわかりやすく解説します。

そもそも法定雇用率とは?

法定雇用率とは、「障害者雇用促進法」にもとづき、企業に対して一定の割合以上で障害のある方を雇用することを義務付けた制度です。

この制度は、障害のある方が安定して働ける環境をつくり、社会で活躍できる機会を広げることを目的としています。

対象となるのは、身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者(精神障がい者保健福祉手帳を持っている方)です。また、企業の従業員数が増えるほど、雇用しなければならない人数も増える仕組みになっています。

法定雇用率の引き上げスケジュール|2024年と2026年の変更点

今回の法定雇用率の引き上げは、企業の準備期間を考慮し段階的に実施されます。

具体的なスケジュールと変更点は以下の通りです。

【2024年4月1日からの変更点】

  • 民間企業の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられました。
  • これにより、障がい者を雇用する義務がある事業主の範囲が、従業員43.5人以上から40.0人以上の企業に拡大されました。

【2026年7月1日からの変更点】

  • 民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられる予定です。
  • これにより、義務対象となる事業主の範囲は、従業員40.0人以上から37.5人以上の企業へとさらに拡大される見込みです。

 

なぜ法定雇用率の引き上げが行われるの?その背景とは

法定雇用率が引き上げられる背景には、障害のある方の働きたいという意欲の高まりと、社会全体の変化があります。

近年は、ハローワークを通じた就職件数が年々増えており、特に精神障害のある方の雇用が大きく伸びています。こうした流れを受けて、厚生労働省は、障害のある人もない人も共に支え合う「共生社会」の実現に向け、雇用機会をさらに広げる必要があると判断しました。

今回の引き上げは、より多くの方が能力を発揮し、社会で活躍できる環境を整えるための重要な取り組みです。

企業への影響はどれくらい?業種・規模別に見る法定雇用率引き上げのポイント

法定雇用率の引き上げは、多くの企業にとって障害者雇用について見直すきっかけとなります。特にこれまで対象外だった中小企業や、雇用義務人数が増加する企業にとっては、具体的な影響を正しく理解し、早期に対応を始めることが重要です。

ここでは、今回の法改正が企業に与える3つの主要な影響について、ポイントを絞って解説します。

対象となる事業主の範囲拡大

今回の引き上げで最も大きな影響の一つが、障害者雇用の義務が発生する事業主の範囲拡大です。これまで対象外だった企業も、新たに対応が必要になる可能性があります。

具体的には、常時雇用する労働者数が、2024年4月1日からは「40.0人以上」の事業主が対象となりました。これは、従来の「43.5人以上」から引き下げられたものです。

さらに、2026年7月1日からは、この範囲が「37.5人以上」へとさらに拡大される予定です。

これにより、これまで障害者雇用を意識してこなかった中小企業においても、新たに1人以上の障がい者を雇用する義務が生じるケースが増加します。

障害者雇用の義務人数はどう変わる?計算方法を解説

法定雇用率が引き上げられることで、企業が雇用すべき障がい者の人数(法定雇用障害者数)も変わります。

自社で何人の障がい者を雇用する必要があるのかは、以下の計算式で算出できます。

法定雇用障がい者数 = (常時雇用する労働者数) × (法定雇用率)

※常時雇用する労働者には、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は0.5人としてカウントします。計算結果の小数点以下は切り捨てとなります。

例えば、常時雇用する労働者が150人の企業の場合、2024年4月からの法定雇用率2.5%では「150人 × 2.5% = 3.75」となり、3人の障がい者を雇用する義務があります。

これが2026年7月からの法定雇用率2.7%になると、「150人 × 2.7% = 4.05」となり、雇用義務が4人に増加します。

このように、同じ従業員数でも、率の引き上げによって必要な雇用人数が変わるため、自社の状況を正確に把握することが不可欠です。

精神障がい者の算定特例の変更点

2024年4月から、障害者雇用のカウント方法に関して重要な変更がありました。特に、精神障がい者の雇用において注目すべき「算定特例」の変更です。

これまでは、週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障がい者を雇用した場合、特例として1人とカウントすることができました。今回の改正では、この特例が見直されると同時に、新たな措置が導入されました。

それは、障害特性により長時間の勤務が難しい方を対象に、週所定労働時間が「10時間以上20時間未満」の精神障がい者、重度身体障がい者、重度知的障がい者について、雇用率において0.5人とカウントできるようになった点です。

この変更は、より多様な働き方を可能にし、障がい者の雇用機会を広げることを目的としています。企業にとっては、採用の選択肢が広がり、雇用計画を柔軟に立てやすくなるというメリットがあります。

未達成だとどうなる?罰則・納付金・企業リスクを具体的に解説

もし法定雇用率を達成できなかった場合、企業には金銭的な負担だけでなく、行政指導や社会的な信用の低下といった様々なリスクが生じます。

ここでは、未達成時に起こりうる具体的な影響について3つ解説します。

障害者雇用納付金はいくら?未達成時の金銭負担を解説

常時雇用する労働者数が100人を超える企業が法定雇用率を未達成の場合、「障害者雇用納付金」を納める義務があります。これは罰金ではなく、障がい者を雇用する企業とそうでない企業との間に生じる経済的負担を調整するための制度です。

納付金の額は、法定雇用人数に不足している障がい者1人につき月額50,000円です。例えば、年間で2人不足している場合は「50,000円 × 2人 × 12ヶ月 = 120万円」を納付する必要があります。

企業の規模が大きくなるほど不足人数も増える傾向にあり、金銭的負担は決して軽視できません。

行政指導や企業名公表も?法令違反時のペナルティとは

法定雇用率が著しく低い企業に対しては、金銭的な負担だけでなく、ハローワーク(公共職業安定所)による行政指導が行われます。この指導は段階的に厳しくなり、最終的には企業名が公表されるという重いペナルティが科される可能性があります。

指導の具体的な流れは以下の通りです。

  1. 雇入れ計画作成命令:まず、ハローワークから障がい者の雇入れに関する2年間の計画を作成するよう命令が出されます。
  2. 適正実施勧告:計画の進捗が思わしくない場合、計画の適正な実施を求める勧告が行われます。
  3. 特別指導:勧告後も改善が見られない企業には、特別指導が実施されます。
  4. 企業名の公表:特別指導を経てもなお改善されない場合、最終手段として厚生労働省のホームページなどで企業名が公表されます。

企業名が公表されると、企業の社会的信用は大きく損なわれることになります。

納付金だけじゃない!未達成による企業への影響

法定雇用率の未達成がもたらす影響は、納付金や行政指導だけにとどまりません。

特に近年、企業の社会的責任(CSR)やESG投資(環境・社会・ガバナンス)への関心が高まる中で、以下のような経営上のリスクも無視できなくなっています。

  • 企業イメージとブランド価値の低下:企業名公表に至らずとも、「障害者雇用に消極的な企業」という評判が広がることで、顧客や取引先からの信頼を失う可能性があります。
  • 採用競争力の低下:多様性(ダイバーシティ&インクルージョン)を重視する求職者が増える中、障害者雇用への取り組みが不十分な企業は、優秀な人材から選ばれにくくなります。
  • 従業員のエンゲージメント低下:社会貢献への意識が低い企業文化は、従業員のモチベーションや帰属意識の低下につながる恐れがあります。

これらのリスクは、企業の持続的な成長を妨げる要因となり得ます。法定雇用率の達成は、法令遵守というだけでなく、企業価値を高めるための重要な経営課題なのです。

今すぐできる!中小企業がすべき3つの具体策

法定雇用率の引き上げは、特にリソースが限られる中小企業にとって大きな課題です。しかし、段階的に準備を進めれば、決して乗り越えられない壁ではありません。

ここでは、今すぐ取り組むべき3つの具体的なステップを解説します。障害者雇用を企業の成長につなげるための第一歩を踏み出しましょう。

① まずはここから!自社の雇用状況と不足人数を正しく把握

対策の第一歩は、自社の現状を正確に把握することです。感覚的に捉えるのではなく、具体的な数値で現状を可視化しましょう。

以下の手順で、雇用義務のある障がい者の人数と、実際に雇用している人数、そして不足人数を算出します。

まず、自社が雇用すべき障がい者の人数(法定雇用障がい者数)を計算します。

計算式は「(常時雇用する労働者数 + 短時間労働者数 × 0.5)× 法定雇用率」です。ここで言う「常時雇用する労働者」とは、週の所定労働時間が20時間以上の労働者を指します。

次に、現在雇用している障がい者の人数を正しくカウントします。障害者手帳の種類(身体・知的・精神)や、週の労働時間によってカウント方法が異なります。

例えば、週30時間以上勤務する身体・知的障がい者は1人としてカウントしますが、精神障がい者や短時間労働者(週20時間以上30時間未満)は0.5人としてカウントされるなど、特例があるため注意が必要です。最新の算定方法を確認し、自社の実雇用率を算出しましょう。

最後に、「雇用すべき人数」から「実際に雇用している人数」を引いて、不足している人数を明確にします。この不足人数こそが、今後の採用活動における具体的な目標となります。

② 採用で失敗しない!障害者雇用の採用計画と業務切り出しの進め方

不足人数が明確になったら、次に行うのは採用計画の策定と、障害のある社員に任せる業務の準備です。行き当たりばったりの採用は、ミスマッチや早期離職の原因となります。計画的に進めることが大切です。

まずは「いつまでに、何人採用するのか」という具体的な採用計画を立てましょう。法定雇用率の引き上げスケジュールに合わせて、段階的な目標を設定するのがおすすめです。

次に、障害のある方に担当してもらう業務を社内から「切り出す」作業を行います。これは障害者雇用において最も重要なプロセスです。

「特別な仕事を用意する」と難しく考えず、既存の業務の中から特定のスキルや経験がなくても対応しやすい業務を洗い出してみましょう。

例えば、以下のような業務が考えられます。

  • データ入力、書類のスキャン・PDF化
  • 郵便物の仕分け・発送
  • 備品管理・発注
  • 社内清掃、環境整備
  • 簡単な資料作成の補助

業務を切り出したら、具体的な仕事内容、必要な配慮、勤務時間などをまとめた「ジョブディスクリプション(職務記述書)」を作成し、求人活動に備えます。

ハローワークや後述する支援機関に相談しながら進めると、より効果的な採用につながります。

③ 安心して働き続けてもらうために!受け入れ体制と社内理解の整え方

障害者雇用は、採用して終わりではありません。採用した方が能力を発揮し、安心して長く働き続けられる環境づくりが重要です。

そのために欠かせないのが、「受け入れ体制の整備」と「社内理解の促進」です。

まず受け入れ体制では、相談窓口や業務指示を行う担当者を明確にし、役割分担をはっきりさせます。直属の上司だけでなく、気軽に相談できるメンターを配置することで、早期離職の防止にもつながります。

また、障害特性に応じた「合理的配慮」の提供も重要です。例えば、定期的な面談の実施や、デスクの高さ調整など、働きやすさをサポートする工夫が求められます。

さらに、障害者雇用は人事部だけでなく、全社で取り組むべきテーマです。管理職や現場スタッフに向けた研修を通じて、障害への理解を深めることが欠かせません。

偏見や誤解をなくし、自然に支え合える職場環境をつくることが、定着率向上への近道です。

初期費用、設備投資費0円!16年のノウハウでサポートする障害者雇用支援とは

「社内に切り出す業務がない」「受け入れ体制を整えるノウハウがない」といった課題を抱える中小企業におすすめなのが、外部の障害者雇用支援サービスを活用する方法です。

その代表的な例が、農園を活用した雇用支援サービス「ファーマーズマーケット」です。

このサービスは、企業が自社の従業員として障がい者を雇用し、その従業員がサービス提供会社の管理する農園で働くという仕組みです。企業側は、自社内に新たな業務を用意したり、設備投資をしたりする必要がありません。

採用活動から入社後の定着支援、日々の業務管理まで、専門知識を持つスタッフが全面的にサポートするため、障害者雇用のノウハウがない企業でも安心して導入できます。

16年以上にわたる支援実績で培われたノウハウを活かし、働く障害のある方の定着率も95%と非常に高いのが特長です。

障害者雇用の進め方に迷ったときにはぜひお気軽にご相談ください。

障害者雇用で活用できる助成金や支援サービスを紹介!

法定雇用率の引き上げに伴い、障害者雇用を推進する企業を国が支援するための様々な制度が用意されています。

ここでは、企業が活用できる代表的な制度をご紹介します。

採用時に活用できる2つの助成金

障害のある方を新たに雇用する際に、企業の金銭的な負担を軽減する助成金制度があります。ここでは、特に活用しやすい2つの助成金について解説します。

① 特定求職者雇用開発助成金

「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」は、障がい者や高齢者といった就職が特に困難な方を、ハローワーク等の紹介により継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して支給される助成金です。

対象となる労働者の障害の程度や種類、勤務時間などに応じて、一定額の助成金が支給され、採用に伴う経済的負担を和らげることができます。

② トライアル雇用助成金

「障がい者トライアル雇用助成金」は、障がい者を常用雇用へ移行することを目的に、原則3ヶ月間の試行雇用(トライアル雇用)を行う事業主に対して支給される助成金です。

企業側は対象者の適性や業務遂行能力をじっくりと見極めることができ、求職者側も業務を体験することで本格的な就職への不安を軽減できるというメリットがあります。特に精神障がい者を初めて雇用する場合などには、支給額が上乗せされる特例もあります。

雇用継続や設備投資で活用できる助成金

障害者雇用は、安心して働き続けられる環境を整えることも重要です。国は、職場定着や作業環境の整備に関する費用を助成する制度も設けています。

例えば、「障害者雇用安定助成金」は、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援や、通勤を容易にするための措置、柔軟な勤務形態の導入など、雇用継続のために必要な取り組みを支援します。

また、「障害者作業施設設置等助成金」は、スロープの設置といったバリアフリー化や、業務に必要な介助機器の導入など、設備投資にかかる費用の一部を助成する制度です。

ハローワークや地域障害者職業センターの活用

金銭的な支援だけでなく、専門的な相談やサポートを提供する公的機関の活用も欠かせません。これらの機関は無料で利用できるため、積極的に相談することをおすすめします。

各地域のハローワークには、障害者雇用を専門に担当する窓口が設置されており、求人の出し方から採用後のフォローまで、一貫した相談が可能です。

また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営する「地域障害者職業センター」では、雇用管理に関する専門的なアドバイスや、従業員向けの研修、ジョブコーチ支援など、より専門性の高い支援を受けることができます。

まとめ

本記事では、2024年と2026年に段階的に実施される法定雇用率の引き上げについて、その背景から企業への影響、具体的な対策までを網羅的に解説しました。法定雇用率の引き上げは、障害のある方の雇用機会を確保し共生社会を実現するために行われます。

対象となる事業主は、自社の雇用状況を正確に把握し、早期に対策を始めることが不可欠です。未達成の場合、納付金だけでなく企業名公表などのリスクも伴います。

助成金や外部の支援サービスも活用し、計画的な採用と受け入れ体制の整備を進め、企業の持続的な成長につなげましょう。

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