障がいのある方が仕事を探す際、「どんな作業内容なんだろう?」「自分にもできるだろうか?」と不安を感じていませんか?
この記事では、障がい者向けの代表的な仕事について、事務職や専門職、軽作業などの職種別に具体的な作業内容を分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたに合った仕事のイメージが明確になり、安心して次の一歩を踏み出せます。
この記事を読むと分かること
- 障がい者向けの仕事の、具体的な作業内容は?
- 自分の障害特性に合った仕事は、どう選ぶ?
- ハローワークや就労移行支援など、仕事はどこで探せばいい?
働く前の準備に!障がい者向けの仕事の探し方とは?
自分に合った仕事を見つけるためには、まず「どこで、どのように探すか」を知ることが重要です。障がいのある方の就職・転職をサポートしてくれる専門の機関やサービスは数多く存在します。
ここでは、代表的な4つの仕事の探し方と、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。自分に合った方法を見つけるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
ハローワークの専門援助部門
ハローワーク(公共職業安定所)には、障がいのある方の就職を専門にサポートする「専門援助部門」が設置されています。
専門の相談員が、障がいに関する知識や理解を持って対応してくれるのが大きな特徴です。地域の求人情報に強く、障がい者求人の紹介はもちろん、職業相談や応募書類の添削、面接練習など、就職に関する幅広い支援を無料で受けられます。
障がい者向け就職・転職エージェント
民間の企業が運営する、障がいのある方に特化した就職・転職エージェントも有効な選択肢です。
登録すると、専任のキャリアアドバイザーが担当につき、面談を通してあなたの希望やスキル、障害特性に合った求人を提案してくれます。企業との面接日程の調整や給与などの条件交渉を代行してくれるほか、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。
就労移行支援事業所
すぐに働くことに不安がある方や、仕事に必要なスキルを身につけたい方におすすめなのが就労移行支援事業所です。
障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つで、ビジネスマナーやPCスキル、コミュニケーション能力などを学ぶ職業訓練を受けることができます。職場探しから就職後の定着支援まで、長期的に一貫したサポートを受けられるのが最大の魅力です。原則として最長2年間利用できます。
農業型障害者雇用支援の「ファーマーズマーケット」の魅力
近年注目されているのが、農業分野での障害者雇用です。特に、企業が運営する屋内農園などで働くスタイルは、天候に左右されず、安定した環境で作業できるという魅力があります。
作業内容はマニュアル化されていることが多く、農業未経験の方でも安心して始められます。種まき、水やり、収穫、梱包など、様々な工程があるため、自分の得意な作業やペースに合わせて働きやすいのが特徴です。チームで協力して作物を育てる達成感も得られます。
農作業に少しでも興味を持った方は、ぜひ詳しくチェックしてみてください。
【職種別】障がい者向けによくある主な作業内容
障がいのある方が活躍できる仕事は多岐にわたります。企業側も、障がいのある方が働きやすいように業務を切り出し、マニュアルを整備するなど、さまざまな配慮をしています。
ここでは、障害者採用でよく募集される職種と、その具体的な作業内容を分かりやすく解説します。
事務職の分かりやすい作業内容
事務職は、障害者雇用の求人の中でも特に募集が多い職種です。
パソコンスキルやコミュニケーション能力を活かせることが多く、業務内容も多岐にわたるため、ご自身の特性に合った仕事を見つけやすいのが特徴です。また、オフィス内での作業が中心となるため、空調の効いた快適な環境で働くことができます。
一般事務の作業内容
一般事務は、部署やチームのサポート役として、幅広い業務を担当します。特別な資格がなくてもチャレンジしやすく、未経験者向けの求人も多いです。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- パソコンを使ったデータ入力(顧客情報、売上データなど)
- WordやExcelを使用した書類作成(会議資料、報告書、送付状など)
- 書類のファイリング、整理、スキャニング
- 郵便物の仕分け、発送
- 備品の発注、管理
- 電話応対、来客応対(業務内容や配慮によって免除される場合もあります)
経理事務の作業内容
経理事務は、会社のお金に関するデータを扱う専門的な事務職です。数字を正確に扱う集中力や丁寧さが求められます。簿記などの資格があると就職に有利になることがあります。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- 伝票の起票、整理
- 経費精算のチェック、処理
- 請求書や領収書の作成、発行
- 会計ソフトへのデータ入力
- 売掛金や買掛金の管理補助
人事・労務事務の作業内容
人事・労務事務は、企業の「人」に関する業務を担当します。従業員の個人情報を扱うため、守秘義務を守れる誠実さが求められます。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- 従業員の入退社手続きの補助
- 勤怠データの入力、管理
- 給与計算の補助業務
- 社会保険に関する手続きの補助
- 社員名簿の管理、更新
軽作業・製造系の分かりやすい作業内容
軽作業や製造系の仕事は、工場や倉庫などで、マニュアルに沿って行う作業が中心です。
手順が明確な単純作業が多いため、未経験からでも始めやすく、自分のペースで黙々と作業に集中したい方に向いています。
工場内でのピッキング・梱包作業
倉庫や工場内で、指示書(ピッキングリスト)に従って商品を集めたり、出荷のために箱詰めしたりする仕事です。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- リストを見ながら棚から商品を集めるピッキング作業
- 商品の検品、数量チェック
- 商品を段ボールなどに詰める梱包作業
- 配送用のラベル貼り
清掃・ベッドメイキングの作業内容
オフィスビルや商業施設、ホテルなどで、決められた範囲をきれいにする仕事です。体を動かすことが好きな方や、きれい好きの方に向いています。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- オフィス内の床の掃除機がけ、ゴミ回収
- トイレや給湯室の清掃
- ホテルの客室清掃、シーツ交換、ベッドメイキング
- アメニティの補充
農業・農園での作業内容
企業が運営する農園などで、野菜やハーブ、果物などを育てる仕事です。自然の中で働きたい方や、チームで協力して作業するのが好きな方に向いています。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- 土づくり、種まき、水やり
- 野菜や果物の収穫
- 収穫物の洗浄、選別、袋詰め
- 農園内の除草作業
サービス・販売職の分かりやすい作業内容
サービス・販売職は、お客様と関わる仕事ですが、障害者雇用においては、接客を伴わないバックヤード業務や、対面ではない顧客対応の求人も多くあります。
店舗でのバックヤード業務
スーパーやアパレル店などの店舗で、お客様の目に触れない裏方(バックヤード)の作業を担当します。接客は苦手でも、商品を扱う仕事に興味がある方に向いています。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- 店頭に商品を並べる品出し作業
- 在庫商品の整理、数量チェック
- 入荷した商品の検品
- 値札やシールの貼り付け
コールセンターのオペレーター業務
電話やメール、チャットを使ってお客様からの問い合わせに対応する仕事です。マニュアルが完備されていることが多く、研修制度も充実しています。聴覚に障がいのある方向けに、チャット対応専門の求人もあります。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- 商品やサービスに関する問い合わせ対応(受電)
- 注文の受付、データ入力
- メールやチャットでの問い合わせ返信
- 対応履歴のデータ入力
専門職・技術職の分かりやすい作業内容
専門的な知識やスキルを活かして働く職種です。
特定の分野に強い関心や得意なことがある方に向いています。在宅勤務やフレックスタイム制など、柔軟な働き方がしやすい求人が多いのも特徴です。
ITエンジニア・プログラマーの作業内容
ITエンジニアやプログラマーは、コンピューターのシステムやソフトウェアを開発・運用する仕事です。論理的思考力や継続的な学習意欲が求められます。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- プログラミング言語を用いたソフトウェアやアプリケーションの開発
- システムの設計、構築
- 開発したシステムが正常に動くかのテスト、デバッグ(修正)
- 既存システムの運用、保守、アップデート
Webデザイナーの作業内容
Webデザイナーは、Webサイトのデザインや制作を行う仕事です。デザインセンスや、HTML/CSSといったコーディングの知識が求められます。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- Webサイト全体のデザインカンプ(完成見本)の作成
- ロゴやバナーなどの画像作成、加工
- HTMLやCSSを使ったWebページのコーディング
- 既存サイトの更新、修正
CADオペレーターの作業内容
CADオペレーターは、「CAD」と呼ばれる設計支援ソフトを使い、建築物や機械などの図面を作成・修正する仕事です。正確さや集中力が求められるデスクワークです。
具体的な作業内容には、以下のようなものがあります。
- 設計士の指示に基づく図面の作成
- 既存図面の修正、トレース(なぞり書き)
- 図面データの管理、整理
自分に合う仕事はどう選ぶ?障害特性別に向いている作業内容とは
障がいと一言でいっても、その特性や程度は一人ひとり異なります。
ここでは、障がいの種類別に、一般的に向いているとされる作業内容の傾向を解説します。
ご自身の得意なことや、どのような配慮があれば働きやすいかを考える上でのヒントとしてご活用ください。
身体障害のある方に向いている作業内容
身体障害は、障がいのある部位によって働きやすい仕事が大きく異なります。移動や動作に制限がある場合でも、設備やツールの工夫によって活躍できる職種は数多くあります。
例えば、車椅子を利用している方や下肢に障がいがある方は、移動の負担が少ないデスクワークが中心の仕事が選択肢になります。具体的には、一般事務、経理、プログラマー、Webデザイナーなど、パソコンスキルを活かせる職種が挙げられます。近年は在宅勤務(テレワーク)を導入する企業も増えており、通勤の負担なく働ける環境も整いつつあります。
上肢に障がいがある場合は、音声入力ソフトなどを活用してパソコン操作を行うライターやデータ入力の仕事があります。また、聴覚に障がいがある方は、視覚的な情報処理や黙々と進める作業が得意な傾向があり、データ入力やプログラミング、工場での検品作業、清掃業務などで能力を発揮しやすいでしょう。
知的障害のある方に向いている作業内容
知的障害のある方は、決められた手順に沿ってコツコツと取り組む作業や、反復的な業務で高い集中力を発揮することが多いです。具体的で分かりやすい指示のもと、自分の役割を責任もってやり遂げる力を持っています。
向いている作業内容としては、作業工程がマニュアル化されているものが挙げられます。例えば、工場での部品の組み立てや検品、商品の袋詰めやラベル貼りといった軽作業です。また、オフィスや商業施設での清掃業務、ホテルのベッドメイキング、飲食店の調理補助(野菜の洗浄やカットなど)も、手順を覚えれば安定して力を発揮できる仕事です。
農業分野での野菜の収穫や手入れなども、自然の中で体を動かしながら取り組めるため、適性のある方が多くいます。いずれの仕事も、写真やイラストを使った分かりやすいマニュアルや、丁寧な指導・サポート体制がある職場で安心して働くことができます。
精神障害のある方に向いている作業内容
精神障害のある方は、ストレスや環境の変化によって体調に波が出やすいことがあるため、自分のペースで仕事を進められる環境や、柔軟な働き方ができる職種が向いている傾向にあります。
例えば、納期や業務量の調整がしやすく、対人でのコミュニケーションが比較的少ない仕事が挙げられます。具体的には、在宅勤務も可能なデータ入力、Webライター、プログラマーなどです。また、一人で集中して取り組める倉庫内でのピッキングや商品管理、書籍の整理といったバックヤード業務も選択肢の一つです。
短時間勤務や週3〜4日勤務など、勤務日数や時間を調整しやすい職場を選ぶことも大切です。障がいへの理解があり、体調がすぐれない時に相談しやすい、定期的な面談で業務内容を調整してくれるなど、サポート体制が整っている企業を選ぶことで、長期的に安定して働きやすくなります。
発達障害のある方に向いている作業内容
発達障害のある方は、特定の分野で非常に高い集中力やこだわりを発揮できる強みを持っています。一方で、コミュニケーションやマルチタスク(複数の作業を同時に行うこと)が苦手な場合もあります。そのため、自分の特性を活かせる仕事を選ぶことが重要です。
ASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある方は、ルールや手順が明確で、正確性が求められる仕事で能力を発揮しやすいです。例えば、プログラマー、会計・経理事務、品質管理や校正・校閲といった、一人で黙々と取り組める専門的な業務が向いています。
ADHD(注意欠如・多動症)の傾向がある方は、好奇心旺盛で行動力がある一方、単純作業が続くと集中力が途切れやすいことがあります。そのため、変化のある環境や、アイデアを活かせる仕事に適性がある場合があります。例えば、営業事務のサポート業務や、Webサイトの更新作業、体を動かす軽作業などが挙げられます。いずれの場合も、「あれ」「それ」といった曖昧な指示を避け、タスクをリスト化して具体的に指示してくれるなど、職場での配慮があるとスムーズに業務を進められます。
まとめ
障がい者向けの仕事には、事務職から軽作業まで多様な職種があり、作業内容もさまざまです。
自分に合った仕事を見つけるためには、まず具体的な作業内容を分かりやすく理解し、ご自身の障害特性や得意・不得意と照らし合わせることが何より重要です。一人で抱え込まず、ハローワークの専門援助部門や就労移行支援事業所といった専門機関に相談することが、納得のいく職場選びへの近道となります。
この記事が、あなたらしい働き方を見つける第一歩となれば幸いです。




