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障害者雇用における配慮事項の聞き方とは?聞いていい範囲やNG例を解説

「必要な配慮は確認したいけれど、どこまで聞いていいのか分からない」「聞き方によっては本人に負担をかけてしまいそう」と悩む採用担当者の方もいるのではないでしょうか?

この記事では、質問する目的の伝え方や聞いてよい範囲、業務の進め方・通勤・勤務時間・体調変化などに関する質問例、避けたいNG例を解説します。

本人の希望を尊重しながら、企業側も必要な支援を具体的に検討できる聞き方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

障害者雇用における配慮事項の聞き方の5つの基本!

障害者雇用で配慮してほしいことを確認するとき、大切なのは病名や症状の細かい話を聞き出すことではありません。「実際の業務を進めるうえでどんなサポートや環境調整が必要か」を正しく把握することが一番の目的です。

本人が変に身構えたり不安になったりせず安心して話せるよう、聞き方の基本テクニックを5つのステップで解説します。

① 最初に質問の目的を伝える

いきなり配慮事項を聞き始めるのではなく、まずは質問の目的をしっかり伝えましょう。

「業務内容や働きやすさを検討し、入社後に安心してスタートできる環境を整えるためにお聞きしています」と説明することで、本人は質問の意図を正しく理解できます。

合否を判定する「選考のハードル」として聞いているのではなく、あくまで「入社後のサポート体制をつくるための準備」であることを明確にしておくことが大切です。

② 「答えるのが難しい部分は飛ばしてOK」と添える 

障害や日々の体調に関する話には、本人にとって心理的に話すのが難しい内容が含まれていることもあります。

やり取りを始める際は「無理にすべてを話す必要はありませんので、答えられる範囲で大丈夫ですよ」と一言添え、回答を強要しないスタンスを示しましょう。

また、答えづらい項目があったからといって「採用に不利になるかも」と本人に思わせてしまうような言動は厳禁です。本人の気持ちや意志を第一に尊重しながら、必要な情報を見極めていきましょう。

③ 業務や職場環境に関連づけて質問する

障害の詳細そのものを聞くのではなく、「実際の仕事や職場環境でどう影響するか」という視点で質問を組み立てます。

具体的には、次のような業務に関わるシチュエーションを中心に確認していきましょう。

  • 指示の受け方(口頭が良いか、チャットやメモが良いか)
  • 作業の手順(マニュアルが必要かなど)
  • PC作業や設備(使用する機材やデスク位置の調整など)
  • 周囲とのコミュニケーション(業務連絡の方法など)

業務内容に引き寄せて話すことで「具体的な課題と解決策」が見えやすくなり、入社後のミスマッチを未然に防ぐことができます。

④ 本人の希望と必要な配慮を分けて確認する

本人が「こうしたい」と望む働き方と、業務を安全・確実にこなすために「ないと困ること」は、一度分けて整理するのがポイントです。

本人の希望がすべて「必須の合理的配慮」に当てはまるとは限りませんし、逆に本人が自覚していない部分でサポートが必要なケースもあります。

  • 「あったらより働きやすい工夫」(希望)
  • 「業務を進めるために欠かせないサポート」(必要な配慮)

この2つを丁寧に分けて話し合うことで、企業としてどこから優先して対応すべきかがクリアになります。

⑤ 具体的な場面を想定して聞く

単に「何か配慮が必要なことはありますか?」と大雑把に質問されても、本人はどう答えていいか困ってしまいます。

以下のように、日常のリアルな場面に当てはめて聞いてみるのがおすすめです。

  • 業務開始時・朝のタイミング(朝礼や体調確認など)
  • 指示を受けたり報告したりする場面
  • お昼休憩や小休憩の取り方
  • 定期通院や、急な体調変化が起きたときの対応

場面を絞って具体的に質問することで、お互いに「どんなサポートを準備すればいいか」のイメージが一致しやすくなります。対話の最後には認識のズレがないかを再確認し、双方にとって納得のいくフォロー体制を一緒に作っていきましょう。

どこまで聞いていい?障害者雇用で確認できる範囲とは

結論からいうと、確認して良いのは「業務を安全に、そして無理なく続けていくために必要な情報」に絞られます。質問する際は必ず「働きやすい環境をつくるため」という目的を伝え、本人が答えやすい雰囲気づくりを意識しましょう。 

業務を行ううえで必要な配慮について

まず確認して良いのは、任せる仕事をこなすうえで必要となる配慮や、職場環境の調整に関する情報です。具体的には以下のような項目が挙げられます。

  • 指示の伝え方(口頭、チャット、メモ、マニュアルの有無など)
  • 優先順位の示し方
  • 休憩のタイミングや頻度
  • デスクの位置やオフィスの照明・音などの環境

「どんな配慮があれば作業に集中しやすいですか?」「逆に、やりづらさを感じる指示の出し方はありますか?」といった形で、病名ではなく「仕事上の困りごとと、その対策」を中心にヒアリングしましょう。

配慮の内容は本人の言い分をすべて鵜呑みにするのではなく、現場で実際に実行できるかどうかも含めて、双方で話し合いながらすり合わせていくのがポイントです。

勤務時間や通院などの働き方に関すること

安定して働き続けるために、勤務時間・残業の可否・通院ペース・服薬の影響といった「勤務条件に関わる事項」も確認できます。ただし、ここでも「病名」や「具体的な治療内容」まで深掘りする必要はありません。

  • 「通院のために勤務日やシフトの調整が必要ですか?」
  • 「服薬や体調管理のために、決まった時間の休憩が必要ですか?」

このように、あくまで「仕事スケジュールにどう影響するか」という実務上の範囲で質問しましょう。

通院先の病院名や詳しい薬の種類などは、業務上特別な理由がない限り聞かなくて大丈夫です。確認した情報は、本人の同意を得たうえで関係者間のみで適切に管理します。

緊急時や体調不良時の対応について

急な体調の変化や緊急事態が起きた際、本人の安全を守るための対応手順を事前に確認しておくことも非常に重要です。

  • 体調不良のサイン(本人が自覚する症状や、周りから見てわかる変化)
  • 本人からの連絡・相談方法
  • 早退や別室休憩が必要になる基準
  • 緊急連絡先や、周囲に求めているフォロー

「万が一気分が悪くなったときは、どう知らせてもらうのが一番助かりますか?」「緊急時に職場側で取るべき対応はありますか?」と具体場面を想定して確認しておくと、いざという時も落ち着いて対処できます。

なお、こうした緊急時の情報は対応に必要な担当者のみで共有し、本人の同意なしに職場全体へ広めてしまわないよう厳重に配慮しましょう。

【例文付き】障害者雇用における配慮事項の質問例!

「どうすれば業務をスムーズに進められるか」「どんな働き方が合っているか」にフォーカスして質問するのがコツです。そのまま使える実践的な質問例をまとめました。

業務の進め方に関する質問例

まずは、本人が本来のパフォーマンスを発揮しやすい仕事の進め方や職場環境を確認します。

  • 「業務を進めるうえで、配慮があると取り組みやすいことはありますか?」
  • 「口頭での指示と、書面やチャットでの指示では、どちらが確認しやすいですか?」
  • 「複数の業務をお願いする場合、優先順位や期限をどのようにお伝えすると分かりやすいですか?」
  • 「業務を始める前に、作業手順や完成イメージをすり合わせる時間は必要ですか?」
  • 「集中して作業するために、座席の位置や周囲の音などで配慮が必要なことはありますか?」

回答をもらったあとは、「それでは指示内容をチャットでも残すようにしますね」というように、実際の現場での対応に落とし込んで確認しておきましょう。

コミュニケーションに関する質問例

業務上の報連相(報告・連絡・相談)や面談のペースについて確認します。評価をするためではなく、実務に必要な連絡手段を知ることが目的です。

  • 「業務上の報告や相談は、対面・メール・チャットのうちどれが利用しやすいですか?」
  • 「作業中に分からないことが出てきた場合、どのような方法で質問しやすいですか?」
  • 「指示を受けたあと、お互いの認識が合っているか確認するために、メモの復唱を行っても大丈夫ですか?」
  • 「定期的な面談や振り返りは、どのくらいの頻度で行うのが望ましいですか?」
  • 「急な予定変更などを伝える際に、混乱しにくい伝え方はありますか?」

「配慮事項は状況に応じて柔軟に見直せますので、入社後も気になることがあればいつでも相談してくださいね」と伝えておくと、本人の安心感につながります。

通勤や勤務時間に関する質問例

無理のないペースで長く働き続けるために、勤務スタイルや通院に関する配慮を確認します。

  • 「勤務時間や休憩の取り方について、配慮が必要なことはありますか?」
  • 「定期的な通院などで、勤務時間や休日の調整が必要になることはありますか?」
  • 「通勤や勤務開始時刻について、無理なく続けるために希望する配慮はありますか?」
  • 「休憩は時間を決めて取る形と、体調に合わせて取る形、どちらが働きやすいですか?」
  • 「現在の想定している勤務日数や時間で、何か無理が生じそうな部分はありますか?」

ここで確認した内容は、実際のシフト調整や通院日のルールなど、会社として提供できる具体的な勤務条件に落とし込んでいきましょう。

体調変化があった場合の相談方法に関する質問例

急な体調不良や障害特性による変化があった際、早めにSOSを出せる仕組みを作っておきます。

  • 「体調に変化があった場合、どのようなサイン(タイミング)で相談してもらうとスムーズですか?」
  • 「体調がすぐれないときは、誰に・どのような方法で連絡するのがやりやすいですか?」
  • 「業務中に体調が悪くなった場合、別室での休憩や早退など、必要な対応はありますか?」
  • 「万が一の緊急時に、職場側が把握しておくべき連絡先や対応手順はありますか?」
  • 「体調や困りごとについて、定期的に状況を確認する機会を設けてもよろしいですか?」

すべてのヒアリングが終わったら、最後に「本日伺った内容を、配慮の検討に必要な範囲で関係者(配属先の上司など)と共有してもよろしいでしょうか?」と本人に同意を取り、個人情報の取り扱いまでしっかりケアしましょう。

障害者雇用の面接で避けるべき聞き方やNG例

障害者雇用の面接や面談では、応募者への配慮や言葉選びに細心の注意が必要です。

不適切な質問は応募者に大きな心理的負担をかけ、面接の場で適切なコミュニケーションが取れなくなる原因になります。担当者が配慮すべき4つのNGポイントと、適切な言い換え例を押さえておきましょう。

障害名や症状を必要以上に詳しく聞く

業務上の必要性がないにもかかわらず、詳しい診断名、発症した経緯、服薬中の薬の種類、過去の詳しい治療歴などを根ほり葉ほり聞くのはNGです。相手に強いストレスを与えてしまいます。

質問の軸はあくまで「業務を進めるために知っておくべきこと」に絞りましょう。

  • NGな聞き方:「病名は具体的に何ですか?いつ発症して、どんな薬を飲んでいるんですか?」
  • OKな言い換え:「業務を進めるうえで、職場側で知っておいたほうが良いことや、必要な配慮はありますか?」

病歴や家族構成を採用判断に結びつける

障害や雇用に直接関係のない病歴や家族構成、家族のサポート体制などを尋ね、それを合否の判断材料にするのは不適切です。本人の適性や能力とは無関係な事柄で不利益な扱いをしてはいけません。

勤務条件に関わる事項を確認したい場合も、就労条件の範囲内に限定して質問しましょう。

  • NGな聞き方:「ご家族のサポートはどのくらい期待できますか?ご両親の職業は?」
  • OKな言い換え:「提示している勤務条件(勤務時間や日数)について、何か確認しておきたいことはありますか?」

配慮を受けることを特別扱いする

合理的配慮を「特別な待遇」や「周囲より有利な条件」のように表現したり、「特別扱いはできません」「他の社員と全く同じようにやってもらわないと困ります」と言い放ったりするのは厳禁です。応募者に大きな不安と不信感を与えてしまいます。

合理的配慮は過剰な優遇ではなく、障害のある人が他の人と等しく働く機会を得るための環境調整です。できること・できないことを感情論ではなく、具体的な業務内容と照らし合わせて冷静に話し合いましょう。

  • NGな発言:「うちでは特別扱いはできないので、他の社員と同じペースで作業してください。」
  • OKな発言:「お互いに無理なく業務を進めるために、どんな工夫や環境調整があれば力を発揮しやすいか、一緒に考えていきましょう。」

必ず確認|配慮事項を聞くときの注意点

障害者雇用の面接や面談で配慮事項を伺う際は、単なる「マナー」としてではなく、法律や個人情報保護の観点からも配慮が必要です。

企業としてトラブルを防ぎ、本人に安心して力を発揮してもらうために、押さえておくべき3つのポイントを整理しました。

障害者差別解消法と合理的配慮を理解する

障害者差別解消法では、障害を理由とした不当な差別的取り扱いが禁止されています。さらに2024年4月からは、民間企業であっても「合理的配慮」の提供が法的義務となりました。

合理的配慮とは、障害のある方が他の従業員と同じように力を発揮できるよう、企業側に過度な負担がかからない範囲で環境やサポートを整えることです。面接の場では、障害名だけで一律に可否を判断するのではなく、「どのような配慮があれば業務ができるか」を確かめる姿勢が求められます。

配慮の内容は、企業側が「これでいいだろう」と勝手に決めつけるものではありません。本人の希望を丁寧にヒアリングしたうえで、実現可能な方法を一緒に話し合って決定していきましょう。

採用選考で必要な情報だけを確認する

質問を行う際は、応募者のプライバシーに配慮し、あくまで「募集している業務をこなすために必要な情報」に限定するのがルールです。

障害名や詳しい病歴そのものを聞くのではなく、業務上の困りごとや必要なサポート内容を確認します。

  • 適切な聞き方:「どのような場面で配慮があると働きやすいですか?」「業務を進めるうえで、事前に共有しておきたいサポートはありますか?」

また、障害や健康状態に関するデータは「要配慮個人情報」に該当します。取得する際は必ず利用目的を説明し、本人の同意を得るなど、個人情報保護法に則って厳重に取り扱いましょう。

配慮事項を関係者間で適切に共有する

本人からヒアリングした配慮事項は、必ず「本人の同意」を得てから、実際のサポートに関わる最小限の関係者(人事担当者、直属の上司、現場のキーパーソンなど)だけに共有します。

共有する際も、病名や診断結果をそのまま共有する必要はありません。「指示は口頭だけでなくメモでも渡す」「通院のため月〇回はシフト調整を行う」といった、「業務上で必要な配慮内容」を中心にして共有するのがポイントです。

共有されたデータはアクセス権限を絞って厳重に管理し、本人の同意なく別の目的で使わないようにします。また、必要な配慮や体調は時間の経過とともに変わることもあるため、定期的に本人と対話し、必要に応じて柔軟にアップデートしていきましょう。

まとめ

障害者雇用で配慮事項を聞く際は、質問の目的を伝えたうえで、「答えられる範囲で構いません」と配慮し、業務や職場環境に関係する内容を具体的に確認することが大切です。本人の希望と、業務上必要な配慮を分けて聞くと、適切な支援につなげやすくなります。

障害名や病歴、家族構成などを必要以上に尋ねたり、回答を採用判断に不当に結びつけたりしてはいけません。合理的配慮の実施に必要な情報だけを確認し、共有する場合も本人の同意を得て、関係者間で適切に取り扱いましょう。

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