障がいがあって職務経験がないと、「自分にできる仕事なんてあるのかな…」と不安になりますよね。
でも、安心してください。法律の後押しもあり、未経験の障がい者を積極的に採用したい企業は増えています。
この記事では、未経験でも仕事のチャンスが広がっている理由から、自分に合う仕事を見つけるための具体的な3ステップまで、わかりやすく解説します。事務補助や軽作業など、未経験から挑戦しやすいおすすめの職種5選や、よくある質問への回答もまとめました。
この記事を読めば、仕事探しへの不安が和らぎ、最初の一歩を踏み出すヒントが見つかるはずです。
この記事を読むと分かること
- 未経験の障害者雇用でも本当に仕事はあるの?
- 自分に合う仕事を見つけるためには?
- 未経験から挑戦しやすいおすすめ職種は?
- 未経験からでも長く安定して働くためのポイントは?
未経験でも本当に仕事ある?障害者雇用でチャンスが広がる理由
「障がいがあって、しかも仕事の経験もない…。自分にできる仕事なんてあるのだろうか」と、不安に感じていませんか?その気持ち、とてもよく分かります。
しかし、結論から言うと、心配はいりません。近年、障がいのある方が未経験からでも安心してキャリアをスタートできるチャンスは、確実に広がっています。
ここでは、なぜ未経験でも仕事が見つかりやすくなっているのか、その背景にある2つの大きな理由を分かりやすく解説します。
① 障害者雇用促進法による企業の採用意欲の高まり
まず大きな理由として、「障害者雇用促進法」という法律の存在があります。
これは、企業に対して、全従業員の数に応じた一定の割合で障がいのある方を雇用することを義務付ける法律です。
この割合は「法定雇用率」と呼ばれ、社会的な要請に応じて段階的に引き上げられています。実際に、民間企業の法定雇用率は次のように変わってきており、今後も上昇する予定です。
| 時期 | 法定雇用率 |
| 2024年4月〜 | 2.5% |
| 2026年7月〜 | 2.7% |
このように法定雇用率が上がることで、企業はこれまで以上に障がいのある方の採用に積極的になっています。
法律で定められた義務という側面だけでなく、多様な人材が活躍できる職場をつくることが、企業の成長にも繋がると考える会社が増えているのです。
この流れが、未経験者を含めた障がいのある方の採用枠を広げる大きな後押しとなっています。
② 多様な働き方が認められつつある
もう一つの理由は、社会全体で働き方の選択肢が大きく広がったことです。
特に、テレワーク(在宅勤務)やフレックスタイム制(働く時間をある程度自由に調整できる制度)、時短勤務といった柔軟な働き方が多くの企業で導入されるようになりました。
こうした働き方は、障がいのある方にとって多くのメリットがあります。例えば、
- テレワーク:通勤による心身の負担を減らせるため、体力に不安がある方や人混みが苦手な方でも働きやすい。
- 時短勤務やフレックスタイム制:定期的な通院と仕事を両立させやすい。体調の波に合わせて勤務時間を調整できる。
など、ご自身の特性や体調に合わせて働き方を選べる可能性が広がっています。企業側も、働く場所や時間に縛られないことで、より多くの人に活躍してもらいたいと考えています。
そのため、「未経験でも大丈夫」という求人が増え、あなたに合った働き方でキャリアを始めるチャンスが広がっているのです。
【3ステップ別】障がい者が未経験から自分に合う仕事を見つける方法!
自分に合う仕事を効率よく見つけるためには、正しいステップを踏むことが大切です。
ここでは、未経験の障がい者が自分にぴったりの仕事を見つけるための具体的な3つのステップをご紹介します。焦らず、一つひとつ進めていきましょう。
ステップ1 自己分析で得意と苦手を知る
仕事探しを始める前に、まずは「自分自身を深く知る」ことから始めましょう。
これが、自分に合った仕事を見つけるための最も重要な土台となります。自分の得意なこと、苦手なこと、そして働くうえで必要な配慮を明確にすることで、ミスマッチを防ぎ、長く働き続けられる職場と出会いやすくなります。
障害特性や必要な配慮を整理する
ご自身の障害について、客観的に理解し、言語化する作業は非常に大切です。
どのような状況で困りごとが発生し、どんな配慮があれば働きやすくなるのかを具体的に整理してみましょう。
例えば、以下のように書き出してみるのがおすすめです。
- 得意なこと・好きな環境:静かな場所での集中作業、ルーティンワーク、一人で黙々と進めること
- 苦手なこと・避けたい環境:急な予定変更、マルチタスク、大きな音や強い光がある場所、電話応対
- 必要な配慮:指示は口頭ではなくメモでお願いしたい、定期的な休憩時間がほしい、通院のための休暇を取得したい
このように整理しておくことで、面接の際に自分のことを分かりやすく伝えられ、企業側もどのようなサポートをすれば良いか理解しやすくなります。
これまでの経験を振り返り強みを見つける
「仕事の経験がないから、アピールできる強みなんてない」と思っていませんか?そんなことはありません。
仕事の経験だけでなく、学生時代の経験や趣味、日常生活の中で培ってきたことも立派な強みになります。
例えば、次のような経験はありませんか?
- 趣味で続けていること:ブログの更新(文章力)、プラモデル作り(集中力・手先の器用さ)、ゲーム(計画性・課題解決能力)
- 日常生活での役割:家計簿をつけている(数字の管理能力)、家族のスケジュールを管理している(調整力)
- 学生時代の経験:文化祭の準備を頑張った(協調性)、研究やレポートを期日通りに提出した(計画性・遂行能力)
どんなささいなことでも構いません。自分の好きなことや、苦にならずにできることを書き出してみると、思わぬ強みや適性が見つかるはずです。
ステップ2 専門家の力を借りて相談する
自己分析で自分のことを整理できたら、次は専門家の力を借りましょう。
一人で仕事探しを進めると、視野が狭くなったり、不安が大きくなったりしがちです。客観的なアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった可能性が広がり、安心して就職活動を進めることができます。
障がい者の就職をサポートしてくれる機関はたくさんあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った相談先を見つけましょう。
ハローワークの専門援助部門
ハローワークには、障がいのある方のための専門窓口が設置されています。専門の職員や相談員が、仕事に関する相談に応じたり、個々の状況に合った求人を紹介してくれたりします。
職業訓練の案内も行っているので、情報収集の第一歩として活用するのに最適です。利用は無料で、全国どこにでもあるためアクセスしやすいのが魅力です。
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
「なかぽつ」の愛称で知られるこのセンターは、厚生労働省と都道府県から委託を受けた法人が運営しています。
仕事探しの支援はもちろん、安定して働き続けるために必要な生活習慣の形成や健康管理など、生活面全般の相談に乗ってくれる心強い存在です。地域の様々な関係機関と連携しているため、包括的なサポートが期待できます。
就労移行支援事業所
一般企業への就職を目指す障がいのある方が、職業訓練や就職活動支援を受けられる福祉サービスです。
事業所に通いながら、ビジネスマナーやコミュニケーションスキル、PCスキルなどを学び、職場見学や実習を通じて自分に合う仕事を見つけていきます。原則2年間利用でき、就職後も職場に定着できるようサポートしてくれます。
障がい者専門の転職エージェント
民間の人材紹介会社が運営するサービスで、障害者雇用に特化しているのが特徴です。
登録すると専任のキャリアアドバイザーが担当につき、自己分析の手伝いから求人紹介、応募書類の添削、面接対策、企業との条件交渉まで、一貫してサポートしてくれます。一般には公開されていない「非公開求人」を多数扱っていることも多く、選択肢の幅が広がります。
ステップ3 求人情報を探し応募する
自己分析と専門家への相談を経て、自分の軸が定まったら、いよいよ求人を探して応募するステップに進みます。
やみくもに探すのではなく、ステップ1と2で明確になった「自分の希望」や「必要な配慮」を基準に求人情報を見ていくことが、成功への近道です。
求人を探す際は、「未経験者歓迎」「経験不問」といったキーワードで絞り込むと、応募しやすい求人が見つかります。また、仕事内容だけでなく、職場の人数や雰囲気、勤務時間や休日といった労働条件もしっかり確認しましょう。特に、ステップ1で整理した「必要な配慮」をしてもらえそうか、という視点で求人票を読むことが大切です。
気になる求人が見つかったら、支援機関の担当者などと相談しながら応募書類を作成し、積極的に応募してみましょう。最初から完璧な職場を見つけようと気負いすぎず、「まずは面接で話を聞いてみよう」という気持ちで挑戦することが、次の一歩につながります。
障がい者が未経験から挑戦しやすい!おすすめの仕事5選
「仕事の経験がないから、採用されるか不安…」と感じている方も多いかもしれません。しかし、未経験からでも安心して始められる仕事はたくさんあります。
ここでは、障がいのある方が未経験から挑戦しやすく、求人数も比較的多い仕事を5つご紹介します。それぞれの仕事内容や向いている人の特徴を参考に、自分に合う仕事を見つけるヒントにしてください。
軽作業スタッフ|シンプルな工程で未経験でも安心
軽作業は、工場や倉庫内で行う比較的簡単な作業の総称です。作業内容がマニュアル化されていることが多く、未経験から始める方が非常に多い職種です。
自分の担当する工程に集中して取り組めるため、コミュニケーションが苦手な方でも安心して始めやすいでしょう。
| 項目 | 詳細 |
| 仕事内容の例 | 商品の検品、シール貼り、梱包、ピッキング(伝票通りに商品を集める作業)、仕分けなど |
| 向いている人の特徴 | ・コツコツと取り組む作業が好き
・集中力がある ・同じ作業を繰り返すことが苦にならない ・立ち仕事や体を動かすことに抵抗がない |
| 求められるスキル | 特別なスキルは不要な場合が多いです。作業の正確さや、決められた手順を守ることが大切になります。 |
データ入力|マニュアル完備で始めやすいオフィスワーク
データ入力は、パソコンを使って指定されたフォーマットに文字や数字を打ち込んでいく仕事です。
オフィスワークの代表的な職種の一つで、マニュアルが整備されている職場がほとんどのため、未経験でもスムーズに業務を覚えられます。近年は在宅勤務が可能な求人も増えています。
| 項目 | 詳細 |
| 仕事内容の例 | 顧客情報、アンケート結果、売上データ、手書き伝票などの入力、文字起こしなど |
| 向いている人の特徴 | ・パソコンの基本操作ができる
・正確に作業を進めるのが得意 ・静かな環境で集中して働きたい ・デスクワークを希望している |
| 求められるスキル | 基本的なタイピングスキルは必須です。WordやExcelの基本操作ができると、仕事の幅が広がります。 |
農作業・施設内作業|自然や体を動かす仕事が向いている人におすすめ
農作業・施設内作業では、土に触れ季節を感じながら体を動かすことで、心身のリズムを整えやすくなります。こうした自然の中での仕事は適度な運動となり、生活リズムや健康維持にもつながります。
中でもファーマーズマーケットの取り組みは特徴的で、障がいのある人が通年で農業に従事し、生産した野菜の販売まで行う仕組みを採用しています。
職場環境や作業手順が整理されているため、未経験でも安心して始められ、継続しやすい職場になっています。農業を通じた地域貢献や自分の成長を感じたい人におすすめの仕事です。
気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
| 項目 | 詳細 |
| 仕事内容の例 | 野菜やハーブの栽培・収穫、植物の管理、きのこの栽培・パック詰めなど |
| 向いている人の特徴 | ・体を動かすことが好き
・植物や自然に興味がある ・黙々と作業に打ち込みたい ・対人コミュニケーションが少ない環境を希望している |
| 求められるスキル | 特別なスキルは不要な場合が多いです。体力や、作業手順を覚える意欲が求められます。 |
事務補助|サポート中心で負担を抑えやすいポジション
事務補助は、一般事務のサポート的な役割を担う仕事です。
業務内容がある程度決まっており、責任の重い判断を求められる場面が少ないため、オフィスワーク未経験の方でも精神的な負担を抑えながら始めやすいのが特徴です。周りの社員と連携しながら仕事を進めます。
| 項目 | 詳細 |
| 仕事内容の例 | 書類のコピー・ファイリング、郵便物の仕分け・発送、電話の取次ぎ、備品管理・発注など |
| 向いている人の特徴 | ・誰かのサポートをすることにやりがいを感じる
・整理整頓が得意 ・オフィスで働きたいという気持ちがある ・報告・連絡・相談を丁寧に行える |
| 求められるスキル | 基本的なパソコン操作やビジネスマナーが求められることがあります。丁寧なコミュニケーションが大切です。 |
清掃スタッフ|自分のペースで取り組みやすい仕事
清掃スタッフは、オフィスビルや商業施設、病院などをきれいに保つ仕事です。
担当エリアや作業手順が明確に決まっていることが多く、一度覚えてしまえば自分のペースで黙々と進められます。きれいになっていく様子が目に見えるため、達成感を得やすい仕事でもあります。
| 項目 | 詳細 |
| 仕事内容の例 | オフィスビルや商業施設の共用部(廊下、トイレなど)の清掃、ゴミの回収、ホテルの客室清掃など |
| 向いている人の特徴 | ・きれい好きで掃除が得意
・一人で黙々と作業するのが好き ・体を動かすのが苦にならない ・自分のペースで仕事を進めたい |
| 求められるスキル | 特別なスキルは不要です。責任感を持って、決められた範囲をきれいに仕上げることが求められます。 |
Q&A|障がい者の未経験の仕事探しでよくある質問
ここでは、障がいのある方が未経験から仕事を探す際によく抱える疑問や不安にお答えします。一人で悩まず、解決のヒントを見つけていきましょう。
オープン就労とクローズ就労どちらが良いですか?
どちらが良いかは、ご自身の状況や仕事に求めるものによって異なります。まずはそれぞれの特徴を知り、自分に合う働き方を選ぶことが大切です。
オープン就労とは、ご自身の障がいを会社に開示(オープンに)して働く方法です。一方、クローズ就労は障がいを非開示にして働く方法を指します。
それぞれのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
| オープン就労 | クローズ就労 | |
| メリット |
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| デメリット |
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障がいへの配慮を受けながら安心して働きたい方や、まずは安定して働くことを優先したい方は「オープン就労」がおすすめです。
一方で、これまでのキャリアを活かして一般の求人にも挑戦したい方や、特に配慮がなくても働ける見込みがある方は「クローズ就労」も選択肢になるでしょう。
未経験でも正社員になれますか?
はい、未経験からでも正社員になれるチャンスは十分にあります。
特に障害者雇用では、スキルや経験だけでなく、人柄や働く意欲、長く勤めてくれるかといったポテンシャルを重視する企業も少なくありません。そのため、「未経験者歓迎」の求人も多く見られます。
まずは契約社員やアルバイトとして入社し、働きぶりを評価されて正社員登用を目指す道もあります。また、就労移行支援事業所などで基本的なPCスキルやビジネスマナーを身につけてから就職活動に臨むと、採用の可能性がさらに高まるでしょう。
仕事が続かないのではと心配です
「また仕事が続かなかったらどうしよう…」と不安に思う気持ちは、とても自然なことです。仕事を長く続けるためには、いくつかのコツがあります。
- 自分に合う環境を選ぶ:自己分析をしっかり行い、自分の得意なことや苦手なこと、必要な配慮を理解した上で、無理なく働ける職場を選びましょう。
- 一人で抱え込まない:困ったことがあれば、上司や同僚、産業医、支援機関の担当者など、相談できる相手を見つけておくことが大切です。定期的に状況を共有するだけでも、心の負担は軽くなります。
- 完璧を目指さない:最初から100%を目指すと疲れてしまいます。まずは「毎日決まった時間に出勤する」など、小さな目標を立てて、少しずつクリアしていくことを意識しましょう。
- 体調管理を最優先する:安定して働くためには、心と体の健康が第一です。無理はせず、休息をしっかりとることを心がけてください。通院が必要な場合は、事前に会社に伝えておくとスムーズです。
就職後の定着支援を行っている支援機関も多いため、入社後もサポートを受けながら働くことで、安心してキャリアを築いていくことができます。
まとめ
障がいがあって未経験だと「仕事が見つかるかな」と不安になりますよね。でも、心配しすぎなくて大丈夫です。法律の後押しもあり、企業は障がいのある方を積極的に採用しています。大切なのは、まず自分の得意なことや必要な配慮を整理してみることです。
一人で悩まず、ハローワークや就労移行支援事業所といった専門家に相談してみましょう。この記事で紹介した探し方や仕事を参考に、あなたに合う職場を見つける第一歩を踏み出してみてください。あなたのペースで進めば、きっと良い出会いがあるはずです。




