farmar's market ファーマーズマーケット

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代表メッセージ

障がい者雇用の本質を見つめて

障がい者雇用の本質を見つめて

障がい者雇用促進法は、1976年(昭和51年)に制定されました。この法律により企業には一定の割合で障がい者を雇用する義務が生じています。近年では、2022年(令和4年度)の法改正により、障がい者の法定雇用率が2.3%から2.5%へと引き上げられています。法定雇用率の引き上げにより、身体・知的・発達・精神など、さまざまな障がいを持つ方々が、より多くの就労の機会を得られるようになりました。就労機会が増えることは障がいを持つ方の経済的な安定を生み、ご本人にのみならず、ご家族にとっても大きな安心と喜びにつながっています。

一方で、企業側にとっては、障がい者雇用は「義務」として課されている側面もあります。本来であれば、障がいのある方々を“戦力”として迎え入れ、企業の一員として活躍してもらうのが理想です。実際に、そのような形で社会貢献を果たしている企業も多く存在します。しかし現実には、法定雇用率の達成を目的とした「コスト」としての位置づけにとどまってしまっている企業も少なくありません。

私自身、以前経営していた会社でまさに同じ課題に直面しました。当時は、法定雇用率の達成だけを目指していましたが、その関係性は、企業側にとっては「コスト」、障がい者にとっては「働き口」という、表面的なものに過ぎませんでした。もちろん、それでも法律上問題はありません。しかし、実際に障がいのある方々と共に働く中で、「もっと彼らの力を生かせる場所が必要なのではないか」と強く感じるようになったのです。

そうして生まれたのが、株式会社ファーマーズマーケットです。2009年の設立以来、参画企業のご協力のもと、農産物の生産・販売事業を中心に展開してきました。そして今日に至るまで、行政や地域社会など多くの皆さまの支えにより、着実に成長を遂げてきました。その中心には、常に障がいのあるスタッフの存在がありました。

最後に、改めて問いかけたいと思います。
障がい者とは、社会の“保護”対象なのでしょうか?
私たちはそうは考えていません。彼らは、社会に“価値”を提供できる、私たちと同じ「一社会人」であると信じています。もちろん、業務上の配慮は必要です。しかし、それが過度な「区別」や「差別」につながってしまえば、彼らの持つ可能性や誇りを損なうことになりかねません。

企業が社会の中で価値を生み出す存在である以上、障がいのある方々との協働によって生まれるシナジーは、計り知れないものです。そして、そうした可能性を広げていくことこそが、私たちファーマーズマーケットの使命だと考えています。

代表取締役

金地 辰旺

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